2018/09/21
チャプター1 : 二人の出会い - 悶えどころと学びどころ『天使の影/アドリアン・イングリッシュ(1)』
さっそく、『アドリアン・イングリッシュ(1)天使の影』のチャプター1から、印象に残ったシーンと英語の勉強になるなーと思ったシーンを見ていきます。
ちなみにこの小説は、ほぼ全てが主人公であるアドリアンの視点で進むので、彼と一緒に謎解きしながら、恋愛相手であるリオーダンの気持ちを推測しつつ読むのが楽しいですね。
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※日本語翻訳版は読んでいないので、各英文の翻訳部分は私の意訳です。間違ってたら教えてください!
いきなり書店の従業員であり、高校からの友人であるロバートが殺害され、警察2人が聞き込みにやってきます。
運命の出会いですねー。
全然、運命が動きそうな気配はなかったけども…。
チャン刑事の印象
Detective Chan was older, paunchy, a little rumpled, smelling of Old Spice and cigarettes as he brushed by me.Source : Fatal Shadows (The Adrien English Mysteries #1)
(チャン刑事は腹の出た、顔に少し皺のある中年で、近づくとオールドスパイスとタバコの匂いがした。)
smelling of Old Spice
オールドスパイスの香りって一口に言ってますが、このデオドラントのシリーズは、種類がいっぱい出てるんですよね。オリジナルの香りなのかな?
ちなみに私のパートナーも、このオールドスパイスシリーズの1つ「FIJI」を愛用してますが、とーってもいい匂いで私も大好きです。
as he brushed by me
brushは筆って意味ですが、筆がかすかに当たるくらいの感じで、触れている状態ですね。
で、この場合のasは、whenに近くて、2つの物事がほぼ同時に起きている状態。
つまり、「チャン刑事がアドリアンにかすかに触れた時」に「オールドスパイスとタバコの匂いがした」って言ってるんだと。
実はこの文を一番最初に読んだ時、「brush」と「blush」を混同してしまい…。
「blush」は顔を赤らめる、って意味ですね。
なので私の頭の中では、小太りの中年のおっさんが、アドリアンを見て顔を赤らめている様を想像してしまい、「え?何で?」となってました(笑)
リオーダン刑事の印象
The other one, Detective Riordan, was big and blond, with a neo-Nazi haircut and tawny eyes. Actually I had no idea what color his eyes were, but they were intent and unblinking, as though waiting for a sign of activity from the mouse hole.Source : Fatal Shadows (The Adrien English Mysteries #1)
(もう片方のリオーダン刑事は、大きな体に、ブロンドの髪をネオナチスタイルに整えていて、ヘーゼル色の瞳をしていた。実際は、彼の瞳が何色なのかは分からなかったけど、まるで、ネズミの穴からこちらの動向をじっとうかがうような、落ち着いた、意志の強そうな目をしていた。)
長い。チャン刑事に比べて長くて詳細。
見た目がアドリアンの好みだったんだろうと推測。
こういう小さくアドリアンの気持ちが表現されているところに、ぐっとくる。
neo-Nazi haircut
私もこの髪型好きだなー。
さらにスーツ着てると最高ですよね。
こんな感じの、下の方は刈り上げて、上の方は撫で付ける髪型。
tawny eyes
黄色っぽい瞳の色。神秘的だわ。
as though waiting for a sign of activity from the mouse hole
何となく言わんとしていることは分かるんですが、何でネズミの穴なんだろうか…。
ズボラさんなアドリアン
... found my pills, managed to get the top off, and palmed two. Washed them down with a swallow of whatever was in the can sitting there from yesterday.Source : Fatal Shadows (The Adrien English Mysteries #1)
(薬を見つけ、フタをあけ、手のひらに2錠とりだした。それを昨日から置きっ放しにしていた缶の残りで喉に流し込んだ。)
palmed two
palmって手のひらって名詞ですけど、手のひらに取り出すっていう動詞としても使えるんですね。
中身が何かも分からないような、昨日から置きっ放しにしていて、ぬるくなった缶(ジュース?ビール?)で、薬を飲んじゃうアドリアン。
こういう彼のズボラな描写がたびたびあって、なんだかお世話したくなるような、守ってあげたくなるような雰囲気なんですよね、彼。
ひどい言われようのロバート
Robert murdered? Beaten up, yes. Arrested, sure. Maybe even dead in a car crash — or by autoerotic misadventure.Source : Fatal Shadows (The Adrien English Mysteries #1)
(ロバートが殺された?もし、彼がボコボコにされたとしても、逮捕されたとしても、きっと驚かないだろう。たぶん交通事故で死んだとしても、もしくは何か特殊な自慰行為中に事故死したとしても。)
autoerotic misadventure
自分で首絞めながらオナニーするとか、そういう行為でしょうか?
アドリアンがどんな事を想像して言っているのかが気になるところ。
アドリアンの綴りと赤毛のアン
They verified the spelling of my name. “Adrien, with an ‘e’,” I told Chan. He almost, but not quite, smirked.Source : Fatal Shadows (The Adrien English Mysteries #1)
(彼らが僕の名前のスペルを確かめてきたので、“Adrien, with an ‘e’,”と答えた。それを聞いたチャン刑事は、一瞬ニヤッと上げた口端をすぐに戻した。)
He almost, but not quite, smirked
はい、チャン刑事、ニヤッとした表情をこらえようとして、こらえきれてません。
それにしても、smirkって直訳できる日本語ないですよね?
辞書には「得意そうにニヤニヤ笑う」ってあるんですが、なんだか印象が違うきがする。
片方の口端だけ引き上げて、得意げに笑うって感じなんですが。
あんまり日本だとよくある顔の表現じゃないのかもしれない。
Adrien, with an ‘e’
これは、もしやあれですかね、赤毛のアンのセリフ。
「Anne with an e(E付きのアンで呼んでね)」から来てるんでしょうか?
そもそも、なんでアドリアンの名前の綴りが、チャン刑事のニヤッを引き起こしたんでしょう?
Eが付くことで、何かフェミニンな印象にでもなるのかな?
ちょっと調べてみたんですが、「Adrienはフランス語での綴り」としか出てこなくて、ちょっと分からなかったです。
嫌な感じのリオーダン刑事
I turned on the hot water. In the steamy surface of the mirror I grimaced at my reflection, hearing again that condescending, “But you are a homosexual?” As in, “But you are a lower life form?”Source : Fatal Shadows (The Adrien English Mysteries #1)
(僕はシャワーのハンドルをひねった。湯気で曇った鏡に写った自分を見て顔をしかめ、リオーダン刑事の「でも、君はホモセクシュアルだろう?」という見下したような言葉を思い出した。まるで「でも、君は下等な生き物だろう?」とでも言っているような。)
- As in
- ~のように、例を出すときに使う
- lower life form
- 下等生物
リオーダン刑事のホモフォビアっぷり。
まぁ、実際は本人もゲイだからこそ嫌悪してるんですが、この時はアドリアンもそのことを知りませんし。
ただ、ゲイの友人が「ホモフォビアだけど実はゲイ」ってシチュエーションは、かなりアツいって言ってました。
キュンとしながら勉強にもなるとは、最高ですね。
今ちょうど、2巻の75%くらい読み終えたんですが、はやく続きを読みたい。
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鞭が似合うとか、壇蜜に似てるとか言われる、M/Mロマンス小説とBLマンガ愛好家。
カナダ、バンクーバー在住。
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