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カナダ・バンクーバーで、M/Mロマンスとか、BLとか

『マーメイド・マーダーズ(殺しのアート #1)』クールでガチムチな一匹狼タイプのFBI捜査官が魅せる究極のツンデレ

モノクローム・ロマンス文庫さんから、私の大好きな作家、ジョシュ・ラニヨンさんの『マーメイド・マーダーズ 』日本語翻訳版が発売されたのを記念して、感想という体で、この作品への私の愛を詰め込んでみようと思います。

盛大にネタバレしていますし、確実に長くなりますので、ご了承の上お進みください。
ただし、2~3巻の内容には触れませんのでご安心を。

※日本語翻訳版は読んでいないので、各英文の翻訳部分は私の意訳です。間違ってたら教えてください!

殺しのアートシリーズ

2019年10月時点で、原書は4巻まで発売されていて、まだ完結していません。

あらすじ

有能だが冷たく、人を寄せつけないFBIの行動分析官・ケネディ。彼のお目付役として殺人事件の捜査に送り込まれた美術犯罪班のジェイソンは事件が起きたキングスフィールドで幼少期を過ごし、連続殺人事件で幼なじみを失っていた。ケネディはその事件を解決に導いた伝説のプロファイラーだった。捜査が進む中、当時の連続殺人事件との共通点が発見される。あの悪夢は本当は終わっていなかったのか――!?「殺しのアート」シリーズ第1作。Source : マーメイド・マーダーズ (殺しのアート #1)

カップリング

ジェイソン・ウエスト

FBI美術犯罪捜査官(Art Crime Team)
ダークヘア、33歳、裕福な家育ち、美形、引き締まった体

サム・ケネディ

FBI行動分析官(Behavioral Analysis Unit)
ブロンド、長身、ガチムチ、青い瞳、40代半ば、一匹狼タイプ
アフターシェイブの匂いがキツイ(もう分かったから!と思うくらい何度も出てきました)

好きなシーンをひたすらあげる

最悪の出会い

アドリアン・イングリッシュの時もそうだったんですけどね、出会った時のお互いの印象が最悪。
もう本当にこいつらこの後何か起きるの?君らちゃんとこの後の台本読んでる?
と尋ねたくなるほど、お互い嫌ってますよね。

ケネディに関しては、もうテンションが低すぎて、その受け答えは社会人として?人として?どうなの?と思うレベル。
されにジェイソンに対する「Pretty Boy」発言で、うわー嫌なヤツーと半目になりました。
日本語だとどう訳されてたんだろう?「可愛い子ちゃん」的な感じかな?

まぁ、実際にケネディはジェイソンの見た目を、可愛くて好みだと思ってはいたんだろうけど。

ジェイソンの方もFBI捜査官としてのプライドがあるので、ケネディを盛大に嫌うわけで。
まぁ、突っかかっていく姿が非常に微笑ましかったのですが。

とはいえ、この最初の衝突があったからこそ、物語が進むにつれて彼らの関係性が変化していく過程が面白かったですね。

鮮やかな情景

It was a beautiful summer day. Not a cloud in the sky. And if the air had not been crackling with voices and radios and assorted engines, it would probably have felt tranquil, peaceful.Source : The Mermaid Murders (The Art of Murder #1)

(美しい夏の日。雲一つない空。声とラジオと雑多なエンジン音さえ鳴り響いていなければ、穏やかで平和だと感じるだろう。 )

キングスフィールドという富裕層がバケーションで訪れる田舎町。
真夏の雲ひとつない晴れた空。
東側なので湿度も高い。
自然豊か。
それに対比するような、気味の悪い殺人事件。
今回はロケーションも素敵。

ウインクの破壊力

“Did he leave a nice tip?” Charlotte looked surprised. “He did, yeah.” Jason winked at her and started to turn away...Source : The Mermaid Murders (The Art of Murder #1)

(「ケネディはチップをはずんだ?」シャーロットは驚いたような表情で答えた。「ええ、そうね。」ジェイソンは彼女にウインクして背を向けた。)

モーテルの受付にいたシャーロットに、ジェイソンがウインクするシーン。
ジェイソン、ダメだよ、こんなティーンエイジャーの女の子を撃ち抜いたら。
絶対ジェイソンのウインクの破壊力半端ないですから。

というのも、ウインク文化のない日本で育った私は未だにウインクされた瞬間に、物凄くドキッ!としてしまいます。
特にレストランのウエイターさんやウエイトレスさんから。
その威力たるや。
もう、そりゃぁ、間違えた料理運んできても許しちゃいますよ。
そしてチップも弾みますよ、ええ。

朝から素敵シチュエーション

ケネディがパートナーを解消したいとジェイソンの上司に申し出て、それを後から知ったジェイソンが怒ってケネディの部屋を訪れるシーン。 ちょっと待って、まずこの時の2人の格好が!

ジェイソン

シャワーの後で濡れた髪、上半身裸、ジーンズ、裸足

ケネディ

シャツ着てるけどボタン止めてなくて素肌が見えてる、ジーンズ、金縁の老眼鏡

そしてジェイソンの二の腕を掴んで、部屋へ引き入れるケネディ。
なんだかもうシチュエーションが美味しすぎて、二人の話している内容が頭に入ってこないくらいに、私の方が動揺してしまいました。

何と言っても私は造形美として筋肉質な体が大好物でして、 あぁ、逞しい胸筋が4つ、シックスパックが2セット…!そこに髪から滴る水滴と老眼鏡!!
と想像しては、ベッドの上でのたうち回っていました。

The effect of Kennedy’s large, capable hand drawing him briefly and disconcertingly close was…confusing. Definitely confusing.Source : The Mermaid Murders (The Art of Murder #1)

(ケネディの大きくて力強い手で、さっと戸惑うほどの近さに引き寄せられ…混乱した。間違いなく混乱した。)

戸惑うジェイソン、うん、可愛い。

そしてこの時、ジェイソンは「実はケネディもゲイなんじゃないか?」とうっすら感じ取るわけです。
ちょっと私には唐突な感じもしたんですが、北米ってフレンドリーな割りに、パーソナルスペースへの侵略には厳しいので、そこら辺の違いなのかな。あとは第六感?いわゆるゲイダーってやつですか。

殺人とアートはコインの表裏

この表現にはなるほどな!と思いました。
FBI美術犯罪捜査官としての仕事に、誇りと情熱を持っているジェイソンに惚れ惚れしますね。

それと同時にジェイソンとケネディの関係を暗示してるのかな、とも。
コインの裏と表のように、お互いが見ている方向が違うので反発しあうけど、結局は1枚のコインなわけで。

ジョシュ・ラニヨン的カップルの軽口

“Yes, I listen to music. And, I know this will amaze you, the pictures hanging on the walls of my apartment are not crime scene photos.” Jason marveled, “You have an apartment?” “Smartass.”Source : The Mermaid Murders (The Art of Murder #1)

(「そう、俺は音楽を聴くし、お前を驚かせるだろうけど、俺のアパートの壁には絵が掛かってるんだ。犯行現場の写真じゃないやつがね。」ジェイソンは驚いて見せた。「アパートを持ってるんだ?」「賢いじゃないか。」)

こういうところですよ、私が大好きな軽口をたたき合うカップル。

「壁に掛かった絵画」ではなく、わざと「アパート」の方に反応するジェイソン。
息があった二人の会話が心地いい。

ここまで来ると、もうだいぶ打ち解けてきましたね。

酔った勢いで

アドリアン・イングリッシュの例があるので、1巻ではSEXシーンはないかも、と予想しつつ読んでいたんですが、割と早い段階でベッドインしたので逆に驚きました。
それも酔った勢い。
まぁ、ね、あるよね、そういうこと、うん。

ただ、ケネディの誘い文句ですよ、問題は。

“So are you married or involved or what?”Source : The Mermaid Murders (The Art of Murder #1)

(それで、お前は結婚してるのか?誰かと付き合ってるのか?それとも別の何か?)

カジュアル過ぎるだろう…!

お酒飲んだ勢い+こんなカジュアルな誘い文句で始まるのか、とちょっと笑っちゃったシーンだったんですが。
ただ、このシーンのセクシーさと勢いは最高でした。

そして、何度でも言いますがオーディオブックの Kale Williams (@kalewilliamsvo) さんの声が素敵過ぎる。
気持ち良さに「Yes. YES.」と声を上げるジェイソンに対して、ケネディが囁いた 「Shhh. God.」 というセリフ。
セクシーさの中にちょっと面白がったような声音が混じっていて、見事に脳から煙が上がりました。

さらに、ケネディがジェイソンを持ち上げ、ドアに縫い留めたシーン。
ジェイソンってそんな背が低くも華奢でもないと思うので、「え、重くないの?その態勢いけるの?」と割とびっくりでした。
あれって男女で、しかも体格差のあるカップルだから出来る態勢だと思っていたものですから。

I can’t believe this is Kennedy—no, don’t think about that—Source : The Mermaid Murders (The Art of Murder #1)

(信じられない、まさかケネディと―ダメだ、そんなこと考えるな―)

自分に言い聞かせるジェイソンが可愛い。
何度でも言う、ジェイソンが可愛い。

じゃれつく二人をずっと眺めていたい

パブ、ブルーマーメイドで仲良くフィッシュアンドチップスを食べた後、飲みながら、ケネディの 「明日はボストン行きで朝早いんだろ?」 という質問の意図を理解し、ジェイソンが 「そんな早くなくていい」 と返すシーン。

“Okay. Well, I know you’ve got that strict no-fraternization policy, so I don’t want to put you in an awkward p—” “Shut the hell up,”Source : The Mermaid Murders (The Art of Murder #1)

(「分かったよ、そうだな、お前が恋愛禁止ポリシーを厳しく守ってることは知ってるよ。だから、俺は気まずくさせたくな―」「黙れよ、もう。」)

もう永遠にじゃれていてください。

ただ抱き合って眠る温かさ

“Why don’t you sleep here? I really do mean sleep.”Source : The Mermaid Murders (The Art of Murder #1)

(「ここで寝れば?本当に寝るって意味で。」)

ジェイソンが廃墟のベースメントに落ち、傷を負い、ショックを受けていた夜。
ケネディは傷の手当てをした後、セクシャルな意味ではなく自分のベッドへ誘い、抱きしめて一緒に眠る。
なんて幸せなんだ。私が。

このあたりのシーン見てると、もうケネディはジェイソンのことを、たまらなく好きなんだなぁ、と感じますね。

お決まりの光景

ジェイソンが廃墟に人魚のチャームを探しに行き、ケネディが必死で止めるも止めきれずに、助けに向かうシーン。
どこかで見たいつもの光景ですね。

“You’ve never shot anyone before, have you?” Gervase sounded suddenly weary. “I have,” Kennedy’s voice said clearly from behind Gervase. Kennedy fired.Source : The Mermaid Murders (The Art of Murder #1)

(「お前は人を撃ったことがないだろう?」ガーヴェイズは急にうんざりしたように言った。「俺はある。」ケネディの声がガーヴェイズの後ろからはっきりと聞こえた。そして、ケネディがトリガーを引いた。)

ケネディの「I have.」がしびれました。

せめてデートしてみようよ

よく考えたらこれ、たった5日間の出来事だったんですね。

What the hell. You only lived once. “How often do you get to L.A.?”Source : The Mermaid Murders (The Art of Murder #1)

(ええい、人生は一度きりだ。「L.A.にはどのくらいの頻度で来る?」)

もうこの時、こちらの気分は女子会ですよ。
ジェイソン、行け、がんばれ、誘うんだ!って。

というのも、私は仲のいいお友だちと月に1~2度のペースで女子会をしています。 美味しいワインとたくさんのおつまみを持ち寄って、ただただしゃべっているだけなんですが、みなさんキャリアに恋に真剣なので、時間があっという間に過ぎるくらい楽しいです。 先日も、友人の一人が「ちょっと気になる人が…」と言い出したので、もう全員がかりで盛り上げて応援していたんですが、その時と完全に同じ心境でした。

I was just asking for a fucking date.Source : The Mermaid Murders (The Art of Murder #1)

(僕はただデートに誘ってるだけじゃないか。)

"I would like to try. I would at least like to try one date."Source : The Mermaid Murders (The Art of Murder #1)

(僕は試してみたい。少なくともデート1回くらい試してみたいんだ。)

必死なジェイソンが可愛い。
そして、君が動かないことには何も始まらないから、うん。

それに対するケネディからの返事が、

"When and where?"Source : The Mermaid Murders (The Art of Murder #1)

(「いつ?どこにする?」)

Kaleさんが放つこのセリフのセクシーさよ…。

そして、ジョシュ・ラニヨンさんのシリーズでは毎回ですが、ここで終わるの?!と続きが気になり過ぎるクリフハンガー。
いい意味で物足りなさを感じるエンディングです。

ミステリー小説としても秀逸

今回のマーメイド事件は、ミステリーとしてもかなり面白かったです。
途中まで昔のマーメイド連続殺人事件と何か関りがあるんじゃないかと思わせておき、謎に怪しすぎるドクターカイザーが出てきては去っていき、何とも言えない気持ち悪さと言うか、恐ろしさを感じながら読んでたんですが、結局は灯台下暗し的にガーヴェイズ署長でした。

そして殺した動機もなんだか同情したくなるような内容でしたし、すっきりはしないんですが、まぁ、世の中そういうものですよね。

どうしてもロマンスとミステリーを混在させるとなると、尺の問題もあって、ミステリーが今一つだったりするんですが、これは秀逸。
事件の真相を解き明かしていくにつれて、彼らのお互いへの心境も変化していくので、後半になるほどページをめくる手が止まらなくなりました。

究極のツンデレ

ケネディに振り回されるジェイソンの可愛さもさることながら、特筆すべきはケネディおじさんのツンデレ具合ですよ。

ツンデレって言葉を使うと、何だかチープに感じるのでどうかとも思ったんですが、ここはあえて。

40代半ば、仕事では有能なんだけど、冷たく一匹狼的タイプで、大きい体はガチムチで、ぶっきらぼうで、イヤな感じだったのに、5日間という短い時間で、ジェイソンに恋して、ジェイソンを失うのが恐ろしくなるくらいに動揺を見せるようになり、とは言え面と向かってお付き合いを申し込むような勇気はなく、モーテルの部屋の前にたたずむ不器用なサム・ケネディおじさん。

そんな彼が時折、

お前は特別だとか言ったり、
SEXの後に抱き寄せてきたり、
自らの手で傷の手当してくれたり、
ショックを受けたジェイソンを抱いて温めながら眠ったり、
何度もジェイソンのモーテルの部屋のドアをノックしてみたり。

なんだこのケネディおじさんのニヤけるような可愛らしいデレ展開。

読んでいると、実はケネディの想いの方が強いんじゃないかしら?とすら感じます。
が、この彼の一連の行動にはちゃんと理由があったりするんですが、それは2~3巻のお楽しみということで。

1巻も十分面白かったんですが、個人的には2巻以降の方がより面白かったので、もし1巻であまりハマらなかった方も、せめて2巻までは読んでもらいたいです。

余談

日本語ではすっかりおなじみのワード「ツンデレ」ですが、英語でも同様に 「Tsundere」 と言います。

ツンデレシャーク(Tsundere Shark)ちゃんが人気です。

書籍紹介

日本語翻訳版

それにしても、日本語翻訳版は 門野葉一 (@kadonoyoo) さんのイラストがカッコよすぎですね!
私はイメージが崩れることが多いので、あまり小説にイラストが載っているのは好まないんですが、こちらはイメージぴったりで素敵です。

イラスト集があれば買いたいんですが、ないんでしょうか?
ざっとネットで調べた限りなさそうなんですが、ご存知の方いたら教えて欲しい。
あったら絶対買う。
イラストのためだけに日本語版まで買いそうな勢いです。

原書

M/Mロマンス小説には、毎回思うことなんですが、
表紙のあなたは誰なんだ!と。
お願いだから服くらい着てください!と。
2巻と3巻の表紙は割とカッコいいんですけどね。

ちょっと前まであんなにアドリアン・イングリッシュにハマってたのに、今はジェイソンとケネディで頭がいっぱいです。
続きが出るのを待ちわびてます。

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ジーナ

ジーナ

カナダ、バンクーバー在住。壇蜜に似てるとか、鞭が似合うとか言われますが、職業は女王様ではありません。M/Mロマンス小説とBLマンガがあれば生きていける。
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