2018/11/27
チャプター3 : カフェで険悪ムード - 萌えどころと学びどころ『So This is Christmas/アドリアン・イングリッシュ(6)』
どんどん進まないとクリスマスに間に合わない!
ラブラブなチャプター2から一転、二人に険悪ムードが漂うチャプター3。
では、さっそく、始めましょう!
このシリーズの記事
※日本語翻訳版は読んでいないので、各英文の翻訳部分は私の意訳です。間違ってたら教えてください!
険悪なムードでこういうことを言えるジェイクはステキだと思う
“Baby, I don’t want to fight with you.” His voice was low. The words casual, the tone personal.Source : So This is Christmas (The Adrien English Mysteries #6)
(「ベイビー、君と喧嘩したいわけじゃない。」彼の声は低く、その言葉は自然で、声音は親しかった。)
こういう文こそ、英語だから味わえる音のリズム。
ただ、日本語に訳しつつもリズム感を残そうと思うと、どの言葉が丁度いいのか考え込んでしまいます。
毎回感じますが、プロの翻訳家さんはすごい…。
あと、いつも思うんですが、ジェイクがアドリアンを呼ぶときに使う「Baby」。多分、愛する人を呼ぶときの一番一般的な言葉ですが、「Pumpkin」とか「Cutie Pie」じゃなくて本当によかったな、と。
私自身も、パートナーを「Baby」と呼びますが、日本語だと恥ずかしすぎて絶対に言えないのに、英語だと全然平気だから不思議。
とげとげしい
I said acerbically, “Answers are useful. What he wants is his boyfriend back.”Source : So This is Christmas (The Adrien English Mysteries #6)
(僕は辛辣に返した。「”答え”っていうのは便利な言葉だね。彼の望みはボーイフレンドを取り戻すことだよ」)
- acerbically
- 辛辣に
アドリン、とげとげしてますね。親しいからこその、とげとげじゃないかと。
ジェイクの言動を翻訳してくれるアドリアン
“Do you still want to order lunch, or are you in a hurry to get back?” What he was really asking was, how angry and/or disappointed are you?Source : So This is Christmas (The Adrien English Mysteries #6)
(「(予定通り)ランチを注文する?それとも、急いで(店に)戻る?」彼が本当に尋ねているのは、僕がどれくらい怒っていて、どれくらい彼に失望しているか、ということだろう。)
ジェイクはアドリアンのことを大事にしてるよな、と感じるのと同時に、アドリアンがジェイクの言葉を翻訳していて、理解しあってるな、結局仲良しだよな、と感じた場面。
His lips quirked in the way they do when he’s amused but too polite to laugh in my face.Source : So This is Christmas (The Adrien English Mysteries #6)
(彼の唇が歪んだ。それは、彼が面白がっているが、面と向かって笑うのは失礼だとこらえている時の表情だった。)
ジェイクのアドリアンが可愛くて仕方がない感が出ていて、私はニヤニヤが止まりません。
アドリアンの皮肉が炸裂
The Amish could have learned a thing or two about shunning from Jake’s family.Source : So This is Christmas (The Adrien English Mysteries #6)
(アーミッシュでさえも、ジェイクの家族から1つや2つ、避けることについて、学んだだろう。)
直訳すると妙ですね...。
- shun
- 避ける
カナダにも「アーミッシュ」というグループが住んでいるので、たまにニュースになったりするんですが、それらを読むまで私は彼らの存在すら知りませんでした。
アーミッシュは移民当時の生活様式を守るために、電気や自動車など現代の文化を徹底して避けているグループなので、自分たちの考えに合わないジェイクを徹底して避けるジェイク家族への皮肉が飛んでますね。
Still, the first rule of cohabitation is Thou Shalt Not Diss the Other Dude’s Kinfolk.Source : So This is Christmas (The Adrien English Mysteries #6)
(それでも、一緒に生活する上での一番最初のルールは「汝、相手の家族を非難するなかれ」だ。)
もうこの文章を読んだ瞬間、完全に「?」で読み飛ばしてたんですが、調べてみるとアドリアンらしい一文だな、と。
古い英語:
Thou (you)
Shalt (shall)
Kinfolk (relatives)
俗語:
Diss 非難する
Dude やつ、男
古めかしい英語と現代の俗語を混ぜた文で、いかにジェイクの家族の考え方が古く保守的で、時代にあっておらず愚かであるか皮肉っている感が出ていますね。
私のまわりにLGBTを理由に家族と折り合いが悪い友人はいませんが、人種だったり宗教だったりで家族から批判され悩んでいる友人は珍しくなく、だからと言って家族と完全に縁を切ることも出来ないようで、「家族って何だろうな」と常々考えさせられます。
元ネタを知らないのでさっぱり
“Cor blimey, Ms. de Vil, don’t dock me wages!” I wailed, heading straight for my lair.Source : So This is Christmas (The Adrien English Mysteries #6)
(「あら、とんでもない!ミス・デ・ヴィル。時給を下げるのだけは勘弁して!」と、僕は嘆いて見せ、すぐさま隠れ家へと向かった。)
これも読んだ瞬間「?」だった一文。
これ言われた側はどう対応したらいいんですかね?ユーモア力が試される…。
- Cor
- 俗語、あら!、おや!
- blimey
- びっくり!、とんでもない!
- dock
- 節約する、切り詰める、減らす
- wail
- 嘆く、泣き叫ぶ
- lair
- 巣、隠れ家
Cor, Blimey! という、60年代~70年代を舞台にした、実話をもとに脚色されたTV映画があったようですが、これが元ネタなのかしら?関係ない?
真偽はさておき、英語学習者が海外で生活して、いざクラスメイトや同僚などど話そうすする時に感じる壁の1つがこれ。
見て育ったテレビ番組の共感ができない!
というのも、日本は言語の問題もあるんですが、幸か不幸か、日本のテレビ番組やアニメは独自に発展していて面白いんですよね。
なので、日本人は私も含め、ほぼ日本のコンテンツだけを見て育っていて、日本人同士だと同世代と話すときは、昔見た映画やドラマ、アニメのネタで共感できます。
他の国(例えばブラジルやフィリピン)だと、英語のまま、アメリカのドラマやアニメなんかを普通に放送していて、子供もそれを見て育つから、昔のドラマをネタにジョークを飛ばされても対応できたりするのに対し、日本人はさっぱり、な状況があります。
英語が話せる、話せないの問題の前に、そもそものバックグラウンドが違い過ぎる。
まぁ、それを嘆いたところで、どうしようもないんですが。
ただ、話すネタにもなるし、英語も学べるので、意識的に北米で人気のドラマはよく見るようになりました。何より面白いですし。
「Game of Thrones」 や 「Westworld」 、もう少し前だと 「Orange Is the New Black」 など。
そういったおススメ映画やドラマなんかも、今後、ブログにしていけたらいいな、と思います。
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鞭が似合うとか、壇蜜に似てるとか言われる、M/Mロマンス小説とBLマンガ愛好家。
カナダ、バンクーバー在住。
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