2019/01/05
海外移住して4年。住む場所を変えただけで楽しくてしょうがなくなった人生。その理由と自分自身の変化。
もしもあなたが今、どこか生きづらさを感じているなら、海外移住というアイデアを人生の選択肢に入れてみてはどうでしょうか?
もちろん、海外に長期滞在するにはビザの取得が必要ですし、日本人は特に言語の壁もあります。
正直なところ、移住して最初の1~2年間は、自分の人生の中で1番ハードだったなと思いますし、途中落ち込んで悩むことも、孤独を感じることも多かったです。
簡単に「みんなもおいでよー!」なんて言えません。
しかし、今は100歳まで生きるかもしれない世の中。
その中で、試しに1年、いや、半年だけでも海外で生活してみるのは、絶対に無駄にはならない経験だと思います。
私は4年前、ただ単純に住む場所を変えたことで、驚くほど自分の人生が楽しいものに変わりました。
そこで今日は、これまでの海外生活で気づいたことや、自分自身の変化をご紹介します。
見た目を必要以上に気にしなくなった
女として、身だしなみへの呪縛
日本人って本当におしゃれですよね。
それはもう、カナダに来てから痛感しました。
ダサい人多いし、みんな結構適当…。
でも逆に、
- 女だったら毎日化粧するのがマナー
- スーツにはハイヒール履かないとダメ
- 手抜きしてると女捨ててる
などと、言われることもありません。
化粧をするのもしないのも、どんな服を着るかも個性。
私の会社もすっぴん社員多いです。
私も仕事に行く時は、夏はTシャツにジーンズ、冬はニットにジーンズでローテーションさせています。
朝から何を着るか悩まなくていいので、1つストレスが減りました。
お金もかからないですし。
そして、たまには、ドレスを着て、髪を結い上げ、しっかりメイクをして、パーティーに行ったり、パートナーとデートしたり、友人と出かけたり、と楽しんでいます。
オンとオフを分け、毎日頑張らなくてよく、誰からも強要されることもないのが、非常に快適です。
細い体への盲信
日本に帰るとみんな痩せてるなーと実感します。
Twitter を開けば、ダイエットに励む女子でいっぱいです。
私も日本にいた頃は「もっと痩せないと!」という謎の強迫観念に支配されていました。
まぁ、理由の一つは、当時の付き合っていた彼からの度重なる「太ってる」発言だったのですが。 (160cmに46kgで太ってる認定だったら、世の中の女性の何割を敵に回してるんだろうか…?)
こちらに来て、体型についてコメントしてくる失礼な人なんていないので、無駄に頑張る必要がありません。
自然体が一番美しい
多民族国家のカナダ。
肌の色、目の色、身長、体型、手足の長さ、目の大きさ、鼻の高さ、みんな違います。
それぞれ個性があり、それぞれが美しいという概念。
今では、わざわざ髪を染めることも、二重を作ることも、高いヒールを履くことも、美白にこだわることも止めました。
また、私は地毛がくせ毛で量も多く、日本にいる時はコンプレックスだったのですが、こちらに来てから髪の色も黒いまま、縮毛矯正もかけず、ウェーブもそのままにしていました。
すると、「あなたの髪、素敵ね!」「それ地毛なの?ラッキーね!」と知らない人に言われたことは、1度や2度ではなく、場所が変われば基準も変わるんだなーと実感。
私にそう言ってくれる女性たちは、総じて金髪のストレートヘアで、髪が細く、たぶんボリュームが出ないのが悩みなんだと思います。
日本人が西洋人に憧れるように、彼女たちも同じく、結局みんな無いものねだりなんですよね。
加齢への焦りと恐怖がなくなった
日本は敬語の文化があるので、初対面でもお互いの年齢を気にしないといけないのは、しょうがないかなと思うんですが、こちらに来てから年齢の話題が全く出ないので、自分の歳ですら忘れがちです。
そのため、年齢に対しての社会的な圧力を感じません。
- 20代で結婚しないとダメ
- 30歳過ぎたら女じゃない
- 35歳までに子供産まないとダメ
- 40歳過ぎたら落ち着かなきゃ
などなど。
挑戦への年齢
30歳、40歳過ぎてから大学に行く人も多いです。
人生に焦る必要も、急ぐ必要もないですし、何かに挑戦するのに遅すぎることも無いと思います。
女としての年齢
私も27歳まで日本にいたので、30歳前後の女性がさらされる結婚等に関する不安や焦り、プレッシャーには、しっかり苛まれました。
しかし、こちらでは日本のような「女は若い方がいい」という感覚がないので、いくつになっても恋愛を楽しんでる人たちを見かけますし、全く焦らなくなりました。
事実、私のパートナーは年下ですが、全然気にしてない模様。
心地よい人間関係
日本にいる家族、友人、知人、仕事関係者、親戚
カナダに移住したことがきっかけで、日本にいる知り合いを 「本当に好きな人たち、大切な人たち」 と 「そうでもない人たち」 に分けることが出来ました。
物理的な距離を理由に「そうでもない人たち」と連絡を取らないので、時間を奪われることも、不快な気分になることもありません。
逆に、いくら物理的に離れていても、「本当に好きな人たち、大切な人たち」とは自然と連絡をとり合っていますし、1年に1度の帰国時にも、絶対会いに行っています。
カナダでも
同時に、こちらに来てからは、しょうがなく付き合いで出席するパーティや飲み会には一切行かなくなりました。
楽しい人としか過ごしたくないですし、そんな暇があったらパートナーと過ごしたいですし、1冊でも多くM/Mロマンス小説を読みたいですし。
労働環境の改善
一番大きいと言っていいかもしれない違いですね。
長時間勤務がない
長時間勤務へのストレスがないので、ショッピングや暴飲暴食で発散させる必要がありません。
よって、太らないし、お金の無駄遣いもなくなりました。
趣味への時間
仕事が早く終わる分、空いた時間で好きなことができます。
そのため、日本にいた頃は仕事が忙しくて諦めていたことを、また改めて始めました。
このブログもそうですし、ヨガ、編み物、ピアノ、読書、ビデオゲーム、ペアダンス、などなど。
パートナーとの時間
パートナー関係を続けるための時間を、きちんと意識的に取るようになりました。
日本にいたころは仕事が優先だったので「時間が空いたら会う」くらいのものだったのに。
それにしても思い出される、付き合い始めたころ、5時にオフィスを出て、テイクアウトを買って一緒に食べ、片付けもそこそこに、映画を1本見て、SEXしても、まだ10時!な驚き。
バケーション
会社によって違いますが、今私が働いている会社は、有給を15日取得できます。
さらに、その日数を超えて旅行に行きたければ、申請すれば無給ですがお休みもとれます。
私も毎年合わせると1ヶ月くらいのバケーションを取得しています。
むしろ、バケーションを取らないで働いていると、
「今年はもうバケーションとった?」
「ちゃんと休んだがいいよ!」
などと言われたり。
長期の休暇を取った後は、気分もスッキリしているし、モチベーションも上がるので、結局、仕事の効率が上がるのを実感しています。
私が日本に帰らない大きな理由の1つかも。
壮大な自然に癒される
街中であっても大きな公園がいたるところにあり、豊かな森が残っていて、遠くには壮大な山々が立ち並ぶカナダ。
自然の中にいるだけで、日々のストレスが減って行くのを実感します。
以前、バンクーバーのとあるスマホゲーム会社の方のセミナーで耳にしたのですが、先進国の中でもカナダやオーストラリアなど自然が豊かな国では、スマホゲームの売り上げが伸びにくいらしいのです。
というのも、日本やアメリカなどの忙しい国では、ストレスを発散させるために、手近・手軽・短時間で遊べるスマホゲームについつい手を伸ばしてしまうのだとか。
一方で、カナダやオーストラリアでは、仕事帰りにビーチで寝転んだり、週末にハイキングに行くことで、自然の力で癒されているので、ストレスレベルが低く、スマホゲームがあまり必要ないのだとか。
興味深いですよね。
おかげで、もともと引きこもり体質だった私も、今ではよくパートナーとハイキングに行きますし、そのあたりのビーチや公園をお散歩しに外出するようになりました。
サービスへの価値という意識
よく日本からやってきた人が口にするんですが、「日本と比べると粗悪な物やサービスにでもお金を払わなければならない」ということ。
また、チップ文化があるので、外食をした時やヘアサロンなどでも、15~20%のチップを払うので高く感じる、と。
言いたいことはよーく分かります。
実際、私も最初の1年は学生で、お金を節約していたので、カナダ高いな、と感じていました。
でも、多分逆何じゃないかと思います。
日本では素晴らしい 「おもてなし」 の精神があるので、優れた物やサービスでも、ありえないほど安く提供してくれているのです。
スーパーの鶏肉を例に
例えば、カナダのスーパーマーケットの精肉売り場に行くと、いろんな状態にカットされた鶏肉があり、それぞれ値段が違います。
日本だと、鶏ムネ肉が一番安いですよね。骨も皮もしっかり取ってあるのに。
カナダだと、値段の順番は部位に関係なく、鶏の丸のままが一番安く、綺麗に骨と皮を取り除き小さくカットしたものが一番安い。
つまり 「手間がかかっている=高い」 んです。
生肉売り場でお肉を切り分ける作業をした人の労働・時間・スキルがきっちり価格に反映されている。
シンプルで分かりやすい値段設定だと思うんですよ。
何事にも 「優れたプロダクトやサービスが欲しかったらお金を払いましょう」 と。
逆に言うと、自分がサービスを提供する側になった時にも、きちんとその対価が支払われるということです。
おかげで最近は、日本で安くて美味しいご飯や、安いのに素晴らしいサービスに出会うと、 「誰かがどこかで無理をしているんじゃないか?」 と心配になってしまいます。
前は高く感じていたサービスへの価格やチップも、だんだんと抵抗感がなくなり、感謝とともに気持ちよく支払えるようになってきました。
生き方への許容性
様々な生き方を許容され、他人から干渉されない
もともと移民の国、カナダは多民族国家。
意識の根底に、そもそも文化も言語も違うのだから 「自分と違って当たり前」 という意識があるので、やたら他人との違いを指摘されることがありません。
そこには他民族、他文化、他人への尊重も感じられます。
例えば、何かのトピックスについて友人や同僚とディスカッションになり、別の意見を持っていても「そういうのもあるよねー」みたいな反応。
人に合わせるのが苦手な私にとっては、とても楽になりました。
自分のままでいい。
好きに生きていていい。
自分の他者に対する寛容度アップ
それに伴い、自分の他者に対する寛容度も上がった気がします。
やはり私にも日本文化は根強く残っていて、カナダに来て最初の頃は、他人の言動にイライラすることが多かったです。
例えば、ベースボールキャップを被ったまま授業を受けるクラスメイトを見ては、「なんて先生に対して失礼な態度んだろう!」と思っていたし、
授業中に話しかけてくるクラスメイトは邪魔でしかなかったし、
コーヒーテーブルに足を乗せるのは(食べ物も乗っているのに!)、物凄く行儀が悪く汚く感じていたし。
もちろん、今でも嫌なことは嫌って言いますけど、「まぁ、いっか」で済ませられることが格段に増えました。
そこには、自分の中での 絶対的価値 が出来てきたのもあると思います。
自分は何が好きで、自分にとって何が重要で、何が自分を幸福にするのか。
それさえ分かれば、後のことは本当にどうでもよくなります。
反対に、自分というものが分からない人ほど、 「普通」「みんな」「世間」 なんて言葉で表される相対的価値を振りかざすんじゃないのかな。
感謝をして、されて、伝えあう
サービスを受けた側も、提供した側も、お互いに「Thank you!」と言い合う文化があり、私はかなり気に入っています。
特にサービスを受けた側ですね。例えば、
- バスを降りる時、ドライバーに「Thank you!」
- ウエイターやウエイトレスさんが料理を運んできてくれたら「Thank you!」
- コンビニでレジを打ってくれた店員さんにも「Thank you!」
彼らは働いていて、それによってお給料をもらっているのだから、それが仕事じゃないか、または、お客はお金を払っているんだから、お礼なんて言わなくていい、と言ってしまえばそれまでなんですが。
いちいちお互いにお礼を言い合っていると、単純にうれしいですよね。
日本だとサービスを提供する側だけが「ありがとうございます」と言っている気がします。
まぁ、言語的にどうしても「ありがとうございます」だと長いので、気軽に言いづらいのかもしれません。
よく夫婦円満の秘訣は、毎日のあいさつ、感謝、謝罪の言葉なんて話を耳にしますが、それに限らず人間同士の円滑なコミュニケーションに、感謝は欠かせない事ですね。
健康に気を付けるようになった
日本にいた時よりも健康になりましたし、自分の体調管理を心掛けるようになりました。
食べ物
健康志向の人が多く住む北米西海岸。
私もしっかりと影響を受けています。
インスタント食品は食べなくなったし、何が入っているのかよく分からない物(例えばカレールーのキューブとか)は食べなくなったし、コンビニご飯は食べなくなったし。
私の体は日々の食事の積み重ねで出来ているので、神経質になり過ぎない程度に、気をつけています。
ヨガ
もともと全く運動しないタイプの人間だったのですが、最近は週3でパワーヨガやホットヨガのクラスに通っていて、様々な効果を実感しました。
- ストレス発散
- 筋トレと体型の引き締め
- 「無」になることでリセット
- よく眠れる
それから、ヨガの後はなんだか機嫌がいいので、パートナーにごろごろくっつきたくなり、仲良く過ごせます。
無理しない
締め切りに間に合わせるために、頭が痛くても、腰が痛くても、痛み止めを飲んで働いて!なんてことが無くなりました。
体調が悪ければ会社も休めるし、家事も休める。
無理しても誰の得にもなりません。
離れてみて初めて日本を知った
日本にいたころは、仕事ばかりしていて、自分の業種以外のことに全く興味が無かったのですが、今では色々な分野に興味しんしん。
ニュースを読んで改めて日本を知る
英語の勉強にもなるし、自分が住んでいる国を知るためにも、カナダに来てから積極的にニュースを読むようにしていたのですが、今ではむしろ読むのが楽しくなってしまいました。
新しい知識を得る喜び。
そして、英語でニュースを読んだ後は、日本と比較してみて、より日本を知るきっかけにもなります。
例えば政治関連のニュースを読んだ後に、「カナダではこうなってるけど、日本ではどうなってるのかな?」と調べてみたり。
その度に「私って全然日本の事知らなかったんだなぁ」と痛感する。
例えば、テロ事件が起きた時には、英語の記事と日本語の記事を読み比べてみたり。
同じ事件を扱っていても、結構言ってることが違っていたりします。
日本について自分の意見を持つきっかけに
友人から、日本についての質問を受けることがあるのですが、例えば、
- 日本は自然災害が多いのに、どうして海外に移住する人が少ないの?
- 日本の会社で飲み会があったら、女性社員がお酌するって本当?どうしてそんなことするの?
- 日本の学校って制服あるんだよね?それって必要だと思う?
などなど。
自分では考えたこともない質問が飛んでくるので、改めて「どうしてだろう?」と自分なりに考え、意見を持ち、相手に伝えるいいトレーニングになります。
日本の素晴らしさに気付く
改めて日本の素晴らしさにも気付かされます。
例えば、
- カナダの日時指定も出来なければ、配達に2週間かかる配送会社に比べると、日本の配送会社は神
- 日本のトイレは綺麗だし、便器の形は世界一なんじゃないか
- どこのレストランでもおしぼりをもらえる
- 電車が時刻表通りに来る
- 待ち合わせた相手も時間通りに来る
- 歴史が深い(カナダは建国150年くらいなので)
- 日本特有の個性的な文化がたくさんある
無くして初めて気づくありがたみと素晴らしさ。
最低でも1年に1回は帰国したいですね。
まとめ
人生の選択肢が増えて、その中から自分に合った場所を選べるといいな、と思います。
私は物凄い田舎に生まれて、田舎の保守的な人間が合わなさ過ぎて、子供時代はけっこう辛かったんですが、都会に出るだけで楽になった部分は多かったです。
そしてまた、いろいろと疑問を感じて海外に出てみて、カナダの方が合ってるな、と感じて永住権を取得しました。
生まれる場所は選べませんが、生きていく場所は選べます。
正直なところ、住む場所を変えたたった4年間での生活習慣や思考の変化には、自分自身が驚かされています。
そしてそれは、自分にとっていい方向へと進んでいる。
反対に、海外に住んでみた後やっぱり日本が好きだと思ったら、帰ればいいだけの話です。
生まれた場所が一番居心地がいい、それって幸せだと思います。
長くなりましたが、ここまで読んで頂きありがとうございました。
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鞭が似合うとか、壇蜜に似てるとか言われる、M/Mロマンス小説とBLマンガ愛好家。
カナダ、バンクーバー在住。
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