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カナダ・バンクーバーで、M/Mロマンスとか、BLとか

『ヒトの世界の歩きかた(月吠えシリーズ #2)』屈強な見た目の純粋過ぎる男が”初めて”を見つけていく物語

つい先日、日本語翻訳版のKindle版も発売された 『ヒトの世界の歩きかた』 、もうみなさん読みました?
1巻よりも格段に面白かったので、さっそく感想を書いていきます。

と、その前に、ちょっと関係ないんですが、11月から 「Dog Tales」 という歴史上のヒーロー犬たちを紹介していく新しいポッドキャストが始まりました。
第1話はローマンと同じジャーマン・シェパードのお話で、ついつい夢中になってしまったのでシェア。

こういったポッドキャストもそうなんですが、私にとって読書の楽しさの一つは、知的好奇心を刺激されること。
読んだ本に関連する事柄(今回だったら働く犬や、アメリカ軍の階級、DEAやSWATなど)に興味が湧いて、詳しく調べるきっかけになるんですよね。
本のストーリーを追うだけじゃない楽しみがあります。

※日本語翻訳版は読んでいないので、各英文の翻訳部分は私の意訳です。間違ってたら教えてください!

月吠えシリーズ

現在5巻まで発売されていて、今回は2冊目。

ちなみに原書の方は Kindle Unlimited で読めるのでお得ですよ。

マッドクリークの地理的な地図や、このシリーズに必要な基礎知識は1巻の感想記事にまとめていますので、よかったら見てみてくださいね。

あらすじ

人間に変身できる特殊能力を身につけた犬「クイック」たちが住む町・マッドクリークの正式な保安官助手となってはりきるローマン(ジャーマン・シェパードのクイック)はDEA(麻薬取締局)の会議で、数ヶ月前の麻薬組織摘発作戦で救出したマットと再会する。マッドクリークに派遣されたマットとローマンは休日を一緒に過ごし、互いに好感を抱き始めるが……!?不思議な町・マッドクリークで繰り広げられる犬と人間の信頼と愛情を描く、好評の「月吠え」シリーズ第2弾!Source : ヒトの世界の歩きかた (月吠えシリーズ #2)

カップリング

ローマン・チャールズガード

マッドクリークの保安官助手。
もともと犬として生まれ、後々クイックに変化したタイプ。 犬種はシェパード。
ダークヘアに無精ひげ。
K-9で軍用犬だった頃のハンドラーは、ジェームズ・パットソン軍曹。

ローマンのラストネーム、チャールズガードはどこから来たんでしょう?どこにも書いてなかった気がする…。

マット・バークレー

元SWATで左手を負傷したため、今はDEA捜査官。
ダークブラウンヘア。
大きな茶色い瞳に長いまつ毛。
角張った顎(エラが張ってるんだと思われる)。

みどころ

ローマンのおバカっぽさ

と言ってしまうのはダメだと思うんだけども、それ以外に表現のしようがなくて。大人なのに言動が小さな子供みたいと言うか。
背も高くて体も大きい成人男性なのに、純粋過ぎるほど純粋で、そのギャップに私もマットもやられてしまいました。

もともとローマンは犬として生まれ、スパークが起こって人間になった新しいクイックなので、人間社会での文化、仕事、恋愛など、知らないことだらけ。
知らないから、失敗したり、突拍子もない質問をしてしまったりするんだけど、それがもう笑っちゃいけないと思いつつも、笑っちゃうんですよね。

1巻の感想でも書いたんだけど、相変わらず「元犬」という設定が上手く生かされてるよな、と思います。

ジェームズとの切ない過去

強くて優しいローマンの心の傷、K-9時代のハンドラーであるジェームズ。
文字通り死線を共に潜り抜けて育まれた彼らの友情と愛情を、一瞬にして失ったローマンの深い悲しみ。

この本は、現在のローマンと、過去にジェームズと一緒だった頃のエピソードが交互に語られるので、何だか読んでいて胸が詰まるというか。
ジェームズが死ぬことは最初から分かってるのに、読み進めないといけない辛さがありました。

余談ですが、彼らのエピソードに触発されて、ナショナルジオグラフィックの軍用犬特集も興味深く読みました。

ローマンの「初めて」を追う旅

これも「もともと犬」という設定があるから出来るんだけど、ローマンにとっては何もかもが 初めて

初めて赤面して、心の底から笑って、キスして、SEXして、愛し愛されて、嬉し涙を流して、と。
その度に驚いたり、戸惑ったり、感動したり。

誰よりも純粋で真面目で一生懸命で優しいローマンの言動を見ていると、何だか自分の心が洗われるようだわ。

好きなシーンをひたすらあげる

テレフォンセックスはやめろ

"No, definitely not gun oil. God. Okay, never mind. You don’t need it. Just wrap your hand around your—" In the background, Lance said, "You are not having phone sex with Roman." "I'm just giving him starting instructions! Hold your horses."Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(「いや、ガンオイルは違う。オーケー、使わなくていいよ。単に手で包んで、君のー」その後ろで、ランスの声がした。「ローマンとテレフォンSEXするなよ。」「ただ最初の説明をするだけだよ!落ち着いてよ。」)

ローマンが初めて勃起して戸惑ってランスに電話するシーン。

もう、今作は全体的にこのパターンなんですが。
何か起こって、ローマンが戸惑ってランスに突拍子もない質問をぶつけて、ランスがしどろもどろになる。

読みながら何度も声を上げて笑ってしまいました。
いや、ローマンは真剣なんですけどね。

ベストドッグ

"You're the best dog in the world, you know that?" James's words were far away, but Roman understood him. Those beloved hands rubbed Roman's neck. Tears made channels in the dirt and blood on James's face. "You're gonna be okay. You're gonna be okay."Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(「お前は世界で最高の犬だよ。」ジェームズの言葉は遠のくがローマンは彼を理解していた。愛してくれた手がローマンの首を撫でた。地面に涙の路ができ、ジェームズの顔は血まみれだった。「お前は大丈夫だよ、大丈夫。」)

ジェーーーーーーーーーームズ!!

You're the best dog in the world.

ジェームズのベストドッグ発言はたびたび出てくるんだけど、なんて優しい声音で語りかけるんだろう(いや、もちろんジェームズの声は知らないんだけど)。

ジェームズが命を落とした原因も、負傷したローマンを助けるためでしたし。
ストーリーを読み進めるにつれ、ジェームズが死んでいることは最初から分かってたはずなのに、もうハラハラしながら、死んでほしくないと思いながら読んでました。

すごくシンプルな1文なんだけど、読む度に堪んなくなる。
途中でローマン本人も気づいてましたよね。別にローマンは世界一の犬じゃなかったけど、そう思う程にジェームズがローマンを愛してたんだという証拠だと。

ピタピタのパンツ

Matt stared, his mouth open like he was saying 'ah' at the doctor's office. Roman wondered if there was something wrong with his legs and looked down. They were very muscular. The muscles above his knees were cut like diamonds. And they were also pretty hairy, with soft, curly tan hair. But they looked human enough to Roman. "Uh..." Matt swallowed. "Wow. You're in great shape."Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(マットは病院で医者にのどを見せる時のように口を開け、ローマンを凝視した。ローマンは自分の足が何か変なのかと思い見下ろした。足はとても筋肉質で、筋肉の上にある膝はダイヤモンドのように角ばっていた。そして、柔らかくてカールした茶色い毛で覆われていた。しかし、ローマンには十分人間のように見える。「あー…」マットは唾を飲んだ。「ワオ、すごくいい体してるね。」)

マウンテンバイクで初デートに出かける際、バイク用のパンツを履いたローマンに、ただただ声を失い見惚れるマット。

1巻に引き続き、パンツはピタピタです。
作者が好きなんですかね?ピタピタの太もも。いや、みんな好きか。

貸してあげたティム、グッジョブです。

シャンパンの回し飲み

The champagne and the food and the day and the view and the laughing... this was very good. This was perfect. And Roman knew enough to appreciate a perfect moment when he had it. They ate the meal, passing the bottle back and forth between them. Roman liked the taste of Matt on the neck of the bottle even more than the champagne, and he tried to discreetly lick to get more of it.Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(シャンパン、食べ物、山からの眺め、笑い。すごくいい。最高だ。そして、ローマンはその最高の瞬間に感謝する他なかった。食事を食べ、ボトルを交互に回して飲む。ローマンはシャンパンよりも、ボトルの口のマットの味の方が好きだった。彼は控えめにもっと舐めて味わった。)

確か唾液って性的関心を刺激する作用のある「テストステロン」が含まれてるって聞いたことがある気がする。

まぁ、それはいいとして、回し飲みでドキッとするとか、こう、ね、ティーンエイジャーかよと思いつつ読んだシーン。
もちろんローマンにとっては初めてなわけですが。

この本全体を通してこの2人の男同士のカジュアルさがいい。
仲良しの親友みたいな感じで、気取ってなくて。
ピクニックもバスケットにシャンパングラス入れていくんじゃなくて、ボトルだけ持って行くのが逆に素敵。

ランス頑張って

Lance braced his hands on his desk, his knuckles white. "Humans would say I'm gay, yes, because I'm mated with a man. But for me, it wasn't that I liked men before, it's just... once I met Tim, and, um, bonded with him, I fell in love with him and... and... it didn't matter to me if he was male or female. So..." Roman frowned in confusion. "Yes, I'm gay," Lance finished lamely.Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(ランスは手をデスクに置き、その拳は白くなっていた。「人間は俺をゲイだと言うだろう、俺は男と番っているから。でも、俺にとっては、もともと男を好きだったんじゃなくて、ただ…、ティムに会って、それで、あー、彼と惹かれ合って、恋に落ちて、それで…、それで…、ティムが男か女かなんて大きな問題じゃなかったんだ。だから…」ローマンは困惑して眉をひそめた。「分かった、俺はゲイだ。」ランスは力なく締めくくった。)

何をまごまご言ってるのか、この男は笑。

今回のお話では終始ランスがこういう扱いで私は大好き。
シリアスなキャラクターほど、作者には全力でいじって欲しいんですよ。

そこで気付いたんですが、1巻、2巻ともにカップルが「Gay For You(もともとゲイでなく、たまたま恋に落ちた相手が男だった)」 なんですよね。
好きな人には堪らない設定なのではないでしょうか。
私は萌えればなんでもいいけど。

ジェームズと一緒

The feeling of Matt scratching his ears or squeezing his paw while Roman snoozed was so familiar. It was like the entire last few years had been a dream, the dream of a sleeping dog—that he'd become a man, and moved to this odd little town in the mountains, and become a sheriff's deputy. With his head on Matt's lap and his eyes closed, he could almost believe he was still with James.Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(ローマンがうたた寝をしている間、マットが耳を撫でたり手を握ったりする感覚はとても覚えがあった。ここ数年間の出来事は全部夢だったかのようだ。人間になり、山の中の奇妙で小さな町へやってきて、保安官補佐になった夢を見ている犬。マットの膝に頭を載せ、目を閉じると、まるでジェームズとまだ一緒にいるかのように感じられた。)

切ない。
分かってはいるんですけどね、ジェームズが死なないとマットとの出会いはなかったんだけど、ジェームズとローマンの叶わなかった幸せな未来っていうのも見てみたかった…。

ローマン、マットに出会えて本当によかったなぁ。

マットのコンプレックス

Roman was like his brother Mitch, Matt realized. The perfect man. The perfect soldier. The perfect son. He was the perfect everything that Matt had always tried to be—and failed. Matt was too soft-hearted to really enjoy being a bad-ass, and he was too much of a goof-off and comedian to be respectful. And he was definitely too gay. Even if the General didn't even know Matt was gay, he probably knew Matt was simply not manly enough.Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(ローマンはマットの兄弟、ミッチのようだと気づいた。完璧な男。完璧な兵士。完璧な息子。彼はマットが常になりたくて、でもなれない完璧な存在だった。マットはワルを楽しむには優しすぎ、尊敬されるために道化を演じていた。そして、何より確実にゲイだった。マットがゲイだということをもし父親が知らなかったとしても、たぶん単純に男らしくないと思っていただろう。)

今回、ローマンの初めての話と同時に進行するのが、マットのコンプレックス。
ずっと兄弟にコンプレックスを抱いていて、父親の求めるような男になりたかったけど、性格的にも性嗜好的にもなれないのも自覚していて。
何よりお父さんはアメリカ軍の元司令官で厳しくて、きっと逃げ場なんてなかったんだろうな。子供にとって親って無意識に絶対的なものですし。

家族と確執があるのは悲しいことだけど、ムリに近づいて揉めてずっとストレスを抱えるよりは、縁を切ったり距離を置いた方がいいだろうな、と個人的に思います。
家族ってパートナーと自分で作るものだと思うし。

それから俗なんですが、マットはミリタリーな男が好みって本の中にあって、以前、海軍にいたと書いてあったけど、どんな感じで過ごしたんだろうかと気になってしまいました。

初めてのキス

Roman made no move to back out and let Matt out of the closet. "Matt." His voice sounded very grave.Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(ローマンはマットがクローゼットから出ないよう動かなかった。「マット」彼の声は深刻だった。)

クローゼットなマットに、クローゼットで告白するローマン。
皮肉と言うか、そこからローマンが引っ張り出す事を示唆しているのか。

マットも言ってましたけど、でっかい男が赤くなりながら真摯に伝えようとする姿が可愛くて可愛くて。

ただ、もうちょっとタイミング考えたがよかったよね、ローマン…。まぁ、ローマンだしな。

一番好きかもしれないシーン

"Hi, M—" Matt grabbed Roman's flannel shirt in two fists and pulled them together, crashing his mouth down on Roman's. Apparently, no talking was needed for sex, and that was fine with Roman. Yes, that was really good news!Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(「ハイ、マッー」マットはローマンのネルシャツを両手で掴み、引き寄せ、唇をローマンの唇に押し付けた。セックスのためにおしゃべりは必要ないらしい。ローマンにとっては都合が良かった。本当にいいニュースだ!)

熱い。こういうの大好き。余裕がなくて必死で、飢えた感じなのが最高にいい。もっとお願いします。

さらに、ローマンよりも背が低いマットが、ローマンの胸倉を掴んで手繰り寄せるのが非常にグッと来る。

基本的にローマンが初めてなのでマットがリードする場面が多いけど、欲を言えば、もうちょっとローマンの上で乱れる姿が見たかったわ。で、ローマンの反応を見て片頬を引き上げて意地悪く笑って欲しかった。

初めてのヒトとしての愛

Maybe he'd become an angel this time, Roman thought. Or maybe something invisible inside him was changing, DNA rearranging one more time, cells multiplying. He could blush, get an erection, and even laugh. And now he was… he was… Love, he realized, as his heart filled up with heat and light. Now he could love like a man, love a soul-mate, a body-mate. Mate.Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(この時、天使になるのかもしれない、とローマンは思った。それか、彼の中で何かが変化して、細胞が増殖し、DNAがまた組み換えられているのかもしれない、と。彼は赤面し、勃起して、笑ってさえいたかもしれない。そして今、心が熱と光で満たされ、彼は、彼は愛されていると気付いた。今、ヒトとして、マットのことを心も体も愛することができた。)

初めて、ヒトとして愛され愛したと感じた瞬間。

ランス頑張って(再び)

"What's up, Roman?" Lance asked. "How did today go?" "Today went fine. Lance, I'm not a virgin anymore." On the other end of the call, there was a coughing/choking sound. "Well… congratulations?" Lance said at last. "I had sex last night. With a person. With Matt." "Okaay. Good for you. I know you like him… So…" "It was good. It was really good." "Fine. That's fine." "But I have a question about it." Lance's voice got tight. "I really think Tim is a better person for you to talk to about this subject."Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(「やぁ、ローマン。」ランスが尋ねた。「今日はどうだった?」「今日はよかったよ、ランス。俺はもうバージンじゃない。」電話の向こうで、咳き込み咽る音がした。「そう…おめでとう?」ランスがかろうじて言った。「昨日、SEXしたんだ。人間と。マットと。」「わわわかった。よかったな。マットのこと好きだからな…そう…。」「よかったよ。すごくよかった。」「そうか。それはよかった。」「でも、質問があるんだ。」ランスの声がひきつる。「俺は本当にティムの方がこういう話題には適任だと思うんだけどな。」)

ローマンが「mount」って何度も言うものだから、「もう止めて」と笑いが止まりませんでした。
そんな無邪気に「マットがmountしてって言うから、mountしたんだ。」とか言われても。
一貫して「mount」とか「alpha」とか、動物に使う単語をローマンが使ってあるのがまた面白いポイント。

それにしても、「mount」って日本語でどう訳されたのか気になるところ。乗っかる?攻める?…入れる?

彼らっぽくて好き

"Eat first or sex?" Matt asked, even though he was already taking off Roman's pants. "Sex, eat, then more sex?" Roman suggested. "Perfect."Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(「先に食べる?それともSEX?」マットが尋ねた。彼は既にローマンのパンツを脱がせ始めていたけど。「SEXして、食べて、それからもっとSEXするのは?」ローマンが提案した。「完璧。」)

ジョーク交じりにセクシーなセリフで誘うティムやランスと違って、マットもローマンも欲望に忠実で、ストレートに表現するので、これはこれですごく好き。

「先にディナー食べる?」と聞きながらも、ローマンのパンツをまさぐるマットが大好きです。こういう、駆け引きなしの、男同士のカジュアル感がどうも好きなんだよなぁ。ムード作ったりしないのがいい。

そして、どっちも鍛えた体してるから、ガチムチの男が2人でレスリングマッチしてる様が最高に熱い。
片方が美少年というのも捨てがたいけど、筋肉が2倍だと見ごたえがあるんですよね、うん。

まるでヒッチコック映画

There were hound dogs and retrievers, a bunch of black collies, a few huge mountainous dogs with long shaggy hair, a great Dane, bulldogs, poodles, even Chihuahuas. It was entirely surreal, like an Alfred Hitchcock movie.Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(そこには、ハウンドドッグ、レトリーバー、たくさんのブラックコリー、巨大な毛むくじゃらの犬も数匹、グレートデン、ブルドッグ、プードル、チワワまでいた。それはもう完全に非現実的で、まるでヒッチコックの映画のようだった。)

チワワはやめとこう。プードルも大きいやつならまだいいけど、トイプードルはやめとこう。

それにしても、爽快なシーンでしたね。
犬が本気で牙を剥いてきたら怖いんだろうなぁ。

全部許せてしまう

Roman looked hopeful. "I have champagne. I bought some after our picnic because I liked the bubbles. And this is a celebration, isn't it? Can we celebrate?" How could Matt resist that face? "What the hell. We caught the bad guys, I haven't lost you, I came out to my dad, and I just learned there's magic in the world. Champagne it."Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(ローマンは期待に満ちた顔で言った。「シャンパンあるよ。ピクニックの後に買ったんだ、しゅわしゅわが好きだから。それに、これはお祝いだよね?お祝いしていい?」どうやってマットはこの顔を拒否できるっていうんだ?「あぁ、もう。悪いやつらを捕まえたし、お前を失わなかったし、父さんにカムアウトしたし、それに世界には魔法があるって学んだところだし。シャンパンでお祝いしようか。」)

ローマンの無邪気さにほだされるマット。
きっとこれからもずっと、2人で暮らしていて、何度もこんな瞬間があるんだろうなと想像させてくれるシーン。

もしもマットが、仕事や家族のことで嫌なことがあったり、ヘコんだりしても、家に帰るとローマンがこんな顔してくれるから、マットは一瞬にして全部忘れて、幸せを感じれるんだろうなと。

あれ、ローマンってパートナーとして最強じゃないか? 

初めてのうれし涙

Matt stopped and stared at him. "Ro? Are you okay?" Roman showed Matt his fingers. His chest shuddered and his vision blurred with water. "Oh, Ro. What's the matter?" Blurry Matt looked very concerned. He stepped close. "I'm too h-happy," Roman said, in as gruff a voice as he could manage. Matt laughed. "Oh no! Not the dreaded 'too happy'! Well, enjoy this moment, because sooner or later —"Source : How to Walk Like a Man (Howl at the Moon #2)

(マットは立ち止まって目を見開いた。「ロー、大丈夫?」ローマンはマットに指を見せた。ローマンの胸は震え、視界が涙で歪んだ。「おぉ、ロー。どうしたんだよ?」ぼやけたマットはすごく心配そうだ。彼が近寄った。「幸せすぎる…。」ローマンが出来る限りのぶっきらぼうな声で言った。マットが笑う。「ダメだよ!幸せ過ぎて怖いなんて!そうだな、今この瞬間を楽しみなよ、だって遅かれ早かれー。」)

この本でのローマン最後の初めて。

もう、可愛すぎる。

幸せ過ぎて泣いてる。

ローマンが「You are priceless.」って言われるシーンが何度もあるけど、もう本当にその通りだなって思います。
「価値が付けられない程に貴重で素晴らしいもの」って意味だけど、結構皮肉にも使う表現なんですが、ローマンの場合はもうその通り過ぎて。

そんなローマンに愛されるマットはさぞ幸せなんだろうなぁ。

基本的にこのシリーズは、最終的にみんなハッピーで、ほっこりするストーリーなので安心して読めますね。

マリファナ合法化

本編とあんまり関係ないので、最後にちょっとだけ、この本でも問題として取り上げられているマリファナについて。

この本が発売された2015年当時、カリフォルニアでは医療大麻のみが合法でしたが、2018年に医療以外の用途でも合法になりました。
そして私の住むカナダでも、2019年に合法化されました。
まるでお茶の葉を売るように、色々な種類のマリファナを試して買えるお店があります。

私はマリファナの匂いがすごく苦手なので吸いも食べもしないんですが、合法化自体は大賛成です。
もちろん反対意見を持つ人々もいるんだけど、メリットとデメリットを見ていくと、どう考えてもメリットだらけのように私は思います。

その理由は…と、書き始めたら、かなり長くなりそうなので、また別の機会にまとめようかな。

まぁ、合法化された今でも、この本に出てきたコリンのように、公共の山に勝手にライセンスもなくマリファナを栽培するのは完全に違法ですけどね。

書籍紹介

原書

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ジーナ

鞭が似合うとか、壇蜜に似てるとか言われる、M/Mロマンス小説とBLマンガ愛好家。
カナダ、バンクーバー在住。
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