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カナダ・バンクーバーで、M/Mロマンスとか、BLとか

『Winter Kill』ジョシュ・ラニヨンさんファン必見。あのサムもタッカーも登場。オーバーラップするキャラクターたちに興奮が抑えられない。

殺しのアートシリーズ2巻『モネ・マーダーズ』 にチラッと出てきたFBI捜査官のアダム・ダーリンが主人公のお話…と聞いていたので、特に何の期待もしないで読んだんですがね。

いやー、読了後、見事に興奮させられました!

と言うのも、実はこの本、『モネ・マーダーズ』 と全く同じタイミングに、別の場所で起きた殺人事件のお話だったんです。

なので、例えば 『モネ・マーダーズ』 で、ジェイソンとジョニーがアダム・ダーリンについて電話で話してるシーンがあり、全く本編に関係ない会話をしていたんですが、この『Winter Kill』を読むと「そういうことだったのかー!」と、ちょっと謎だった部分が綺麗にリンクして行きます。
ピースが上手いことハマったような快感を感じました。

ぜひ、『モネ・マーダーズ』 と合わせて読んで欲しい一冊です。

そして、今作の主人公、アダム・ダーリンの元カレだったタッカー・ランスが、アダムと別れた後のお話はこちらですね。

ネタバレ注意です。

※各英文の翻訳部分は私の意訳です。間違ってたら教えてください!

あらすじ

賢く野心的なFBI捜査官、アダム・ダーリンは、その有能さで成功と昇進への道をひた走っていた。しかし、担当した誘拐事件で被害者を死亡させてしまうという捜査ミスにより、その輝かしい昇進街道から退いていた。そして今、新しいパートナーと、新しい事件が起こり、キャリアを復活させる機会を得て、オレゴン州の人里離れた山岳リゾートで、残酷で狡猾なシリアルキラーを追う。

田舎町ニアバイの保安官代理、ロバート・ハスケルはのんびりしていて、一見間抜けにさえ見える男だが、必要であればタフで有能な警察官だった。彼の町にFBI捜査官がやってきても—その1人が賢く、イケメンで、おそらく同性愛者であっても—ロブは騒ぎ立てることはなかった。しかし、ネイティブアメリカンの博物館で発見された死体は、小さな町の保安官には手に負えない。同じく、氷のように堅苦しいアダム・ダーリもロブの手に余るような相手だったが、そんなのアプローチしない言い訳にはならない。

だいたいこんな感じ。

1チャプター毎にアダムとロブの視点に切り替わりながらストーリーが進むタイプの小説です。ロマンス小説では多いですよね。

そろそろ All's Fairシリーズ の最終巻の翻訳版も発売されそうなので、この『Winter Kill』も翻訳されるといいのになぁ。

カップリング

アダム・ダーリン

FBI捜査官。
ブロンド、グリーンの瞳、イケメン。

ロブ・ハスケル

オレゴン州のリゾート地、ニアバイの保安官代理。
写真が趣味。
ポートランドの出身。
ダークアイ、エラの張った顎。

みどころ

ジョシュ・ラニヨンさんファン必見

先ほども言った通り、そこまで期待して読んだわけではなかったこちらの本。

しかし、『モネ・マーダーズ』 に出てきたアダムとジョニーはもちろんのこと、相変わらず嫌な感じのJJラッセルも登場するし、アダムの元カレとして All's Fairシリーズ のタッカーも、そして、サム・ケネディも出てきます。

正直、この本自体が物凄くおススメ!って訳ではないんですが、『モネ・マーダーズ』 と合わせて読むと、非常に楽しめる1冊でした。

ロブのキャラに振り回された

ロブのキャラがなかなか掴めなかったんですよね。

チャプター2では、ジョニーがロブとその同僚であるジークのことを「Dumb and Dumber(バカと大バカ)」なんて呼んでて、あー、田舎町のアホっぽい保安官なのかな、という第一印象を受けました。

しかし、事件が起こると論理的に動いているし、銃撃戦が起これば冷静に対処するし、なんだ第一印象と違って頼りになるちゃんとした保安官じゃないか、と見直して。

かと思えば、セクシーなシーンで急にヨーデルとかターザンとか飛び出して、謎が深まり。

かと思えば、彼の家にアダムを招待した時は、疲れているであろうアダムのために、お風呂を入れたり、そこへお酒を運んだり、料理をしたり、彼の服を洗っておいたりとかいがいしい。

そして、プロのフォトグラファー並みの写真の腕を持ってたり。

アダムに対してはかなり積極的にアプローチして来るし。

最後まで目が離せないキャラクターでしたね。

それと比べてしまうと、アダム・ダーリンは名前の面白さ以外にさほど強烈な印象を受けませんでした。

ミステリーを存分に楽しみたい

ラニヨンさんの作品は、1冊の中でロマンスとミステリーの配分は常にミステリーの方が多い印象なんだけど、今作は本当にミステリー寄りな1冊。SEXシーンもありますが、結構サラッと終わります。

私が好きだったのは今作のロケーション。

ニアバイという、オレゴン州にあるリゾート地なんですが、人口も少なく、町の人みんな知り合いみたいな勢いの田舎町。しかし、夏と冬には観光客が大量にやってくるような町。

2月の雪深く、暗く、静かな町で次々と見つかる死体。
まさかこんな小さな町にシリアルキラーがいるなんて!しかも2人も?という感じでした。

さらに、ネイティブアメリカンの被り物をして人々を襲う犯人の不気味さ。

私も何度かカナダの先住民(ファーストネーション)アートの博物館に行ったことありますが、彼らのマスクって暗い場所で見ると本当に怖い…。

そして、外の寒さや暗さと対照的な暖かさを感じるロブの家。
もともとリゾート地のバケーション用の家だったため、広く、木造で、暖炉があって、大きなバスタブがあって、穏やかで温かい。ロブの人となりを表すような家だなぁと。

今の季節に読むのにぴったりな本じゃないでしょうか。

他の作品へのリンク

『モネ・マーダーズ』より、サム・ケネディ北へ

“It looks like I’m going to have to fly up north, so if you wouldn’t mind, I’d like you to finish the interviews on your own.”Source : The Monet Murders (The Art of Murder #2)

(「北に飛ばないといけないようだ。だから、もし良ければ、お前1人でインタビューをしておいてもらえないか?」)

チャプター4で、8カ月ぶりの再会なのに、微妙過ぎる空気のサムとジェイソンがいたのは、カリフォルニア州、サンタモニカ。

で、サムは急遽、北へ飛ぶ必要があると言ってました。

『Winter Kill』の舞台はオレゴン州、ニアバイ。そう、サンタモニカから見ると北なんです。

あー、この時サムは、オレゴンに行ってたのかー、そうかーと。気まず過ぎてジェイソンから離れたわけじゃなかったのね。

『モネ・マーダーズ』より、JJラッセルとアダムについてジェイソンはどう思う?

“Yeah? Okay, then. I think he’s a homophobic prick. And I would not trust him to guard my back. Or resist sticking his own knife in.”
Kennedy looked thoughtful. “And what about Special Agent Adam Darling?”
Jason couldn’t help a faint grin. “Best name I ever heard for an FBI agent.”
Kennedy’s mouth curved in answer, but he said gravely, “Aside from that.”
“You can ask Jonnie. She was partnered with him for about a year.”
“I’m asking you.”
“I don’t know him well. He’s a little standoffish. Reserved. Obsessive about the job—like someone else I know. What happened to him last year was bullshit.”
“What happened to him?” Kennedy asked.
Jason filled him in on the history of Special Agent Adam Darling—when bad things happen to good agents—and Kennedy listened without comment.
“I see,” he said noncommittally at the end of Jason’s recital. “Thanks.”Source : The Monet Murders (The Art of Murder #2)

(「そう?じゃぁ、率直に言うけど、彼は同性愛者嫌悪のクソ野郎だと思うよ。彼に背中は任せられないし。もしくは、彼自身からから刺されるかも。」ケネディは考え込んでいるようだった。「じゃぁ、アダム・ダーリンについては?」ジェイソンは僅かに笑うのを止められなかった。「FBI捜査官として、今まで聞いた中で最高の名前だと思うよ。」その答えに、ケネディは口元を緩めたが、厳しく言った。「それ以外で。」「ジョニーに尋ねなよ。彼女は1年くらいパートナーだったから。」「俺はお前にきいてるんだ。」「俺はそんなによく知らないよ。多少そっけなくて、無口で、誰かさんのようにワーカーホリックで。去年彼に起こったことは最悪だったけど。」「何が起きたんだ?」ケネディが尋ねた。ジェイソンはアダム・ダーリンに起きた事ーいい捜査官に起きた悪い出来事ーについて話し、ケネディは黙ってそれを聞いた。ジェイソンが話し終えると、何の感情も示さずに「なるほどな。」とケネディは言い、「助かったよ。」と返した。)

チャプター6、サムがオレゴンへと飛ぶ前にジェイソンのオフィスを訪ね、JJラッセルとアダムについてどう思うかジェイソンに尋ねるシーン。『モネ・マーダーズ』だけ読むと、このシーンは謎でしたよね。

この時、『Winter Kill』側でJJラッセルが「アダムはニアバイで起きている事件の担当で無いにも関わらず、LAに戻ることもせず、現地に留まり捜査を手伝っている。それは、ニアバイの保安官代理であるロブと特別な関係にあるからだ。」という報告をしており、その事実関係を調べるため、サムはニアバイへ飛ばなければならなくなりました。

その参考意見として、ジェイソンにJJラッセルとアダムの評判を尋ねていたんですね。

『Winter Kill』を読んでいて、いきなり物凄い威圧感でサムがやってきて、アダムに「お前は職務を放棄しているのか?だったらニアバイの保安官になった方がいんじゃないのか?」と言った時、

うわっ、サム怖っ!
そして、JJラッセルくそ。

と思ったんだけど、サムってパッと見怖いだけで、結局アダムに対してもちゃんと彼の話を聞き、公平に状況を分析してるし。
最終的には自分のチームに誘うくらい、アダムのプロファイル能力も高く評価していました。

サムって癖が強いけど、とってもカッコイイですよね。ジョークが通じないわけじゃないし。パッと見怖いだけで(2度目)。

『モネ・マーダーズ』より、アダムは男に出会った

“Adam’s already on his way back to LA, I think. He’ll be on sick leave for a few days, if he’s got any sense. Kennedy’s offered him a spot on the squad.”
“You’ll get to work together again.”
“Yeah.” Jonnie sounded doubtful. “I don’t know. I’m not sure it’s really what he wants.”
“He sure as hell can’t want to stay on morgue patrol.”
“That’s all over. He’ll get a gold star out of this one.” “Gold star” being Bu-ease for a formal commendation. The pathway to promotion. “He met a guy up here.”
“Adam met a guy?” Jason was partly joking, partly not. No one was more focused on his career than Adam Darling. Dedication, or possibly ambition, had already cost him one long-term relationship. No wonder Kennedy thought he was the ideal candidate.Source : The Monet Murders (The Art of Murder #2)

(「アダムはもうLAに戻ってる途中じゃないかしら。疲れていたら、何日か療養のために休むと思うけど。ケネディは自分のチームに誘ってたわ。」「また君と一緒に働くことになるのか。」「そうね。」ジョニーの返事は懐疑的だった。「どうかしら。アダムが本当にどうしたいのかは分からないわ。」「彼は死体のパトロールをしたいに決まってるさ。」「それは終わったわ。彼はゴールドスターを手に入れるみたい。」「ゴールドスター?」正式な表彰されるって?昇進への道。「アダムはここで男に会ったの。」「あのアダムが?」ジェイソンは半分ジョークで言った。アダム・ダーリン以上にキャリアを重視する人間なんていなかったから。仕事に全てを捧げていたからか、もしくは野心家だったからか、そのせいで長期付き合った恋人との関係を終わらせていた彼なのに。ケネディが理想のチームメンバーだと思ったのも納得だ。)

ここの会話も『モネ・マーダーズ』には一切関係なかったシーンなんだけど。

元アダムのパートナーであるジェーンは、同じくFBI捜査官であるクリスと結婚するのを機に退職する予定でした。だから、アダムはパートナーがいなくなり、代わりにJJラッセルと組むハメになったんだけど。

でも、優秀なジョニーをサムが自分のチームへと誘い、ジョニーは行動分析官として改めて働くことに。

で、サムはアダムについても高く評価しているから、自分のチームへと誘ったんだけど、アダムは『Winter Kill』でロブに出会ってしまった。

野心家で昇進することを第一に考えるような男だったアダムが、恋に身を任せる行動が意外で仕方がない様子のジェイソン。

っていうか、上のジェイソンの発言で、アダムが以前、タッカーと付き合ってたのも知ってるんですね。世間は狭い…。しかも、結構長期間付き合ってたのか、彼ら。

個人的にアダムとロブには幸せになって欲しいと思いつつ、アダムにはサムのチームに入って、これからもちょいちょい話に出てきて欲しい、とも思ってしまう。

『フェア・ゲーム』より、ベッドインまで1週間もかからなかった

No surprise that by the end of Tucker’s first week in Seattle, they’d landed in bed together.Source : Fair Game (All's Fair #1)

(タッカーがシアトルにやってきて1週間が過ぎた頃には、一緒にベッドへとなだれ込んだことに、何の驚きもなかった。)

アダムの元カレであるタッカー。

タッカーがシアトルに移動になった際、もともとさほど上手くいってなくて、距離を置くのは2人にとっていいことかもしれない、と思った矢先、タッカーはシアトルでエリオットに出会ってしまうんですね。

もちろん『フェア・ゲーム』を読んでる時は、そんな裏事情なんで知らなかったから、「エリオットとタッカーひとめ惚れか、熱いな!」としか思ってなかったんだけど、実はこの時、まだアダムと付き合ってたんですね。

まぁ、運命の相手に出会ってしまったのはしょうがないが、タッカー…、ちょっとひどい。

好きなシーンをひたすらあげる

もう会うこともないからワンナイト

He didn’t believe in getting involved with coworkers and team members. Not after Tucker. Not after the way that relationship had ended. Never again.
But this was not their case, and he would never see Deputy Rob Haskell after tonight.Source : Winter Kill

(同僚でチームメンバーと再び関係を持つなんて信じられなかった。タッカーとの恋が終わった後は。絶対にしないと決めていた。でも、この事件はアダムの事件ではないし、今後、保安官代理のロブ・ハスケルに会うことも二度とない。)

タッカーとの一件があるため、チームメンバーとは二度と寝ないと決めていたアダム。

しかし、一緒に働くことはもうないと分かり、1夜だけならとロブの誘いに応じます。

こういう完全に性欲だけでワンナイトするシーンは嫌いじゃなくってよ。

よ、ヨーデル?!

Rob arched, yelled again…only it turned into a yodel. A yodel?
“Yodel-Aye-EEE-Oooo!”
Yeah, a yodel. Followed by laughter. This guy had been in the mountains too long.Source : Winter Kill

(ロブはのけぞり、また叫んだ…ただ、それがヨーデルへと変化した。ヨーデル?「ヨーデル~エイ~ヒ~オ~!」うん、ヨーデル。笑い声が続いた。この男は山に長くい過ぎたらしい。)

声上げて笑っちゃいました。何で急にヨーデルなのか全然意味が分からないけども。

あ、ちなみに最初のワンナイトはロブがボトム。で、ヨーデルで喘ぐ、と。

アダムに痺れた

Rob unglued his tongue and said, “That would be one hell of a mistake.”
“Why’s tha—”
Adam silently materialized behind Gibbs, placing his Glock against Gibbs’s temple. “Because I’ll blow your fucking head off.” His voice was flat and there was no question he meant every word.Source : Winter Kill

(ロブは口を開き、言った。「それは最悪のミスだぜ。」「なんでー」アダムはギブの背後に静かに現れ、グロックをギブの額に当てた。「俺がお前の頭を吹っ飛ばすからだ。」彼の声はフラットで、彼が意味するところは疑いようもなかった。)

イケメン設定のアダムなんですが、そんなに「カッコイイー!」と痺れるシーンは多くない今作。

どちらかと言うと、ロボットのように冷静にずらずらとしゃべってる印象が強くて。

なので、このシーン、唯一私が「おぉぉ、アダムかっこいー」と思ったシーンでした。

体だけの関係では終わらせたくない

Oh, he could probably get Adam into bed again. He would sure try. He could tell Adam was still attracted, still interested. He didn’t want to be. But you always knew. Now sex wasn’t going to be enough. For Rob.Source : Winter Kill

(あぁ、ロブはおそらくアダムをまたベッドに招き入れることができるだろう。きっと誘ってみるはずだ。自分にとって、アダムはまだまだ魅力的で興味があると伝えたい。そうなりたくはなかったが、もう自分でも分かっている。今はもう、SEXだけじゃ足りない。少なくともロブにとって。)

10月に会った時、ワンナイトなSEXをして。

で、今回2月に再開し、一緒に捜査を進めるうちに、体だけの関係では終わらせたくなくなったロブ。

この後、自分の家へアダムを招いて、かいがいしく世話を焼くんだけど、まぁその下心ももちろんあったと思うけど、ロブの根っからの優しさも滲み出てますよね。

暖炉の前での穏やかなキス

Rob kissed him again, still gentle, still courting. They breathed together in easy harmony. Rob could feel Adam’s heart pounding against his own and Adam’s eyelashes flickering against his eyes.Source : Winter Kill

(ロブはまたアダムにキスした、優しく、求めるように。彼らの呼吸が穏やかに重なった。ロブは自分の心臓の音とアダムの心臓の音が高鳴るのを感じ、アダムが瞬く度、まつ毛がロブの目を掠める。)

このシーンが大好きでした。暖炉の前で、ほろ酔いで、穏やかで。

雪の中なのであたりは暗く音もなく、ロッジみたいな家の暖炉の前で、2人だけで、まつ毛の瞬きを感じるほどに近い距離で、でも荒々しく盛り上がることもなく、ゆったりとキスする2人。素敵過ぎる。

今度はターザン?!

Rob pounded his chest and gave a Tarzan yell as he sprang for the sofa.Source : Winter Kill

(ロブは自分の胸をたたき、ターザンみたいな叫びと共に、ソファへと飛んだ。)

いや、アダムが笑ってるなら全然いいんだけど。私は着いていけませんでした…。

さっきまでいい雰囲気だなーと酔っていたのに、急にターザンなんてされて、いや、そこがロブの良さなのかもしれませんが…。

誘い方が好き

Rob said, “Adam, listen, you can still spend the night in the guest room. But that’s not what I want, and it’s not what you want, and why shouldn’t we have what we want?”Source : Winter Kill

(ロブが言った。「アダム、いいかい、もちろん君はゲストルームで寝ていいんだよ。でも、それは俺が望んでることじゃないし、君が望んでることでもない。なら、俺たち2人が望んでることをしないか?」)

この言い方よくないですか?
この全ての単語も用法も中学1年で習うような英語で書かれてるんですが、素敵だなって。

大人になると色々と状況とか今までの経験とかで難しく考えがちだけど、心の声に素直に従ってみてはどうかと。

特に仕事人間のアダムには、必要な言葉だったんだろうな、と。

聞いてるよ!

Rob cut off mid-snore, jerking awake. “Hm? I’m listening!”Source : Winter Kill

(ロブはいびきの途中で飛び起き、「は?聞いてるよ!」)

地味にこのシーン好きでした。

寝ているところをアダムに起こされたロブが、寝ぼけてるんですが、それでも「聞いてるよ!」と反応するシーン。

可愛くて可愛くて。
ロブのちょっと抜けてるけど、いい人感が出てますよね。

サムの強烈な存在感

He felt…well, mostly he just felt numb. Hollow. He couldn’t believe this was happening. He knew with complete certainty that he was about to be fired, and while he could see that he had made a series of missteps—starting with his failure to realize that Russell was a serious enemy—he still couldn’t quite grasp how he’d gotten into this position.
His mouth was dry, there was a block of ice in his belly, and he was desperately afraid that he might look like he was going to cry. He was not going to cry. He was not going to show anything if he could help it.Source : Winter Kill

(彼は…まあ、ただ体がマヒしたように何も感じなかった。虚ろ。こんなことが起きているなんて信じられなかった。アダムはまもなくクビを言い渡されるんだと確信していた。アダムが一連のミスを犯しーラッセルが敵であることに気づかなかったことを始めー、彼はまだ、どうしてこのような状況になってしまったのか把握できずにいた。アダムの口は乾き、お腹には氷の塊が乗っていて、彼がまるで泣き出すように見えそうで、それがとてつもなく怖かった。もちろん泣かないけど。出来ることなら、どんな感情も表したくない。)

サムいきなり登場して、この存在感。威圧感。怖さがすごい。

ただ『モネ・マーダーズ』を読み終えた今、改めて考えると、この時サムはジェイソンと8カ月ぶりに再会した直後。

ジェイソンとは友達でいると心に決め、昔の恋人イーサンの写真まで持ち出していたはずなのに。

顔をみると、やはり好きな気持ちは抑えられず、ジェイソンに対してモヤモヤと気になって仕方がない、な精神状態だったわけで。

そう思って読むと、このシーンすら萌えてくる不思議。

最後のデート

“I’ll see you at five,” Rob promised. “Don’t be late.”
“Er, you’re picking me up. Remember?”
“True.” Rob grinned. “It’s a date, Darling.”Source : Winter Kill

(「5時に会おう。」ロブが約束した。「遅れるなよ。」「あー、お前が迎えに来るんだろ?覚えてる?」「そうだ。」ロブがニヤっと笑って言った。「デートだからな、ダーリン。」)

2重の意味でのダーリンなんだろうけど。

そして、犯人によってアダムが連れ去られるので、このデートは実現しなかった、と。
こういうね、約束とかしちゃうとフラグ立っちゃいますよね。

戦争中に兵士が「戦争が終わったら結婚する」とか言った瞬間、死ぬと分かってしまうのと同じですね。

連れ去られたアダムは裸にされ、縛られて吊るされるんですが、特に期待するようなセクシーな展開にはなりませんでした(ちょっとがっかり…)。

一目で感じる運命の相手とは?

“Is this because of the colleague you got involved with? The relationship that ended badly?”
“Yes.” Adam’s mouth twisted. “I have to take my share of the responsibility though. We were having problems. We were both ambitious, both preoccupied with our careers. Me in particular. He was transferred to Washington. State, that is. And we agreed that it might be good for us to have a little time apart, a little space. But…I never had any doubt that we were going to work it out. I thought… But he phoned the first week and said he’d met someone else. That he knew this was the guy.”
“How could he know that?” What Rob was thinking was, the first time I met you, I knew you were the guy. A one-way street, it seemed. “Did the other guy feel the same?”
“I guess he did. They’re still together.”Source : Winter Kill

(「それって、前に関係をもった同僚のせい?ひどい終わり方をしたっていう。」「そう。」アダムは口元を歪ませた。「責任は俺にもあるんだけど。俺たちは当時、問題を抱えていて。お互いに野心的だったし、キャリアを積むことしか考えてなかった。特に俺は。彼がワシントン、州の方の、に飛ばされて。少し距離と時間を置くことが、2人にとっていいことかもしれないって同意したんだ。でも、俺はこの先上手くいくなんて、これっぽっちも思えなかった。俺は…、でも彼が移動した最初の週に電話があって、彼が他の男に出会ったって言われた。そいつが運命の相手だって分かったみたいだった。」「どうやってそんなこと分かったんだ?」ロブが本当に考えていたのは、初めてロブがアダムに会った時、ロブはアダムこそ運命の相手だと思ったってことだった。一方通行だったみたいだけど。「その相手も同じように感じたのかな?」「そうじゃないかな?今でも一緒にいるみたいだし。」)

タッカーがシアトルで出会った運命の相手、エリオットのことですね。

『フェア・ゲーム』を読んでいる時は気にならなかったけど、アダム側からみると、タッカーはちょっとひどいなぁと。
しかも電話で別れを告げるし、たった1週間だし。
まぁ、タッカーにとってそれだけ衝撃的な出会いだったんだろうけど。

そして、実はロブはアダムに対して、一目会った時から「運命の相手」だと思ってたんだけど、アダムは同じように感じてなくて、一方通行だったみたいだなと軽く傷ついてる。

ずっとアプローチしてたロブだけど、アダムがLAに戻ると同時に、もう2人の関係を諦めていたのは、このあたりが原因なのかな。

心の声に従って動いてみる

“It’s after ten. I don’t know if I can get a flight out tonight, but—”
“Try.”
“I’m going to try.”
Rob said, “It’s about an hour from here to the airport. I’m looking for my keys now.”
“Maybe you should wait to hear if I catch the red-eye.”
“It doesn’t matter,” Rob replied. “Whenever you get here, I’ll be waiting.”Source : Winter Kill

(「もう10時過ぎてるから、今夜の飛行機に乗れるか分からないけどー」「やってみろよ。」「やってみるよ。」ロブが言った。「ここから空港まで約1時間だ。今、車のカギを探してるよ。」「たぶん俺が深夜の飛行機に乗れたかどうか分かるまで待ったがいいと思うけど。」「そんなの関係ないよ。」ロブが返した。「お前がいつ着いたとしても、俺は待ってるよ。」)

「red-eye」って何?と思ったんですが、夜遅く(夜9時以降)に飛び立って、朝早く(朝の5~6時)に着陸するフライトを「a red-eye flight」って言うみたいですね、知らなかったな。

アダムのいるLAからロブのいるニアバイの最寄り空港のある Medford まで、だいたい飛行機で2時間くらい。まぁ、思い付きで飛べる距離ですよね、やろうと思えば日帰りも出来るレベルの距離。

野心の塊みたいだった男が、自分の恋心に従って行動に移す瞬間。

この会話にも、ロブの性格が出てますよね。
何というか、ちょっとアホっぽくも聞こえるんだけど、優しさと熱っぽさと安心感がある。

ちょっとこの先が気になるエンディングですよね。
続きはないのかな?ラニヨンさんのコーダとかに載ってないのかしら?


私としては、最後までフランキーには何か裏があるんじゃないかと疑ってたんですが、何もなかったですね、ごめんなさい、フランキー。

正直、ラニヨンさんの他の作品と比べると、ロマンスにおいても、ミステリーにおいても、ベストな作品ではないと思うんだけど、サイドストーリーとして読んでおきたい1冊です。

私はこの勢いに乗って、アダムの元カレ、タッカーのお話『フェア・チャンス』を読み始めようと思います。

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ジーナ

ジーナ

カナダ、バンクーバー在住。壇蜜に似てるとか、鞭が似合うとか言われますが、職業は女王様ではありません。M/Mロマンス小説とBLマンガが日々の糧。
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