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カナダ・バンクーバーで、M/Mロマンスとか、BLとか

『還流(ドラッグ・チェイスシリーズ #1)』弱くて不完全で、だからこそ愛おしい彼らが、もがきながらも進もうとする姿から目が離せない。

実はこの作品、結構前にサンプルをダウンロードして読んだものの、どうにも合わない気がして読むのを止めていた作品なんです。
主人公ラッキーの言動が粗野で下品で、お育ちが良くない感じだし、ひたすら尻って言ってるし笑、仕事上のパートナーへの態度も悪くて。
また、ラッキーのスラングやジョークを多用する話し方は、英語が第二言語の私にとってはなかなか理解が難しいのも原因でした。

しかし、Twitterでアユ・ヤマネ(@ayu_ymn)さんが、意外と社会派だと大絶賛しているのを見て、意を決して1巻を購入。
読み進めてみると、だんだんと引き込まれて行き、ラッキーのイメージも変わって来て、気が付いたら4巻まで一気に読み終わっていました。M/M沼恐ろし…。

※日本語翻訳版は読んでいないので、各英文の翻訳部分は私の意訳です。間違ってたら教えてください!

ドラッグ・チェイスシリーズ

原書のシリーズ名は「Diversion Series」。7巻まで発売されていて、まだ完結していません。

また、先日、この本についてのオンライン読書会を開催しました。レポートはこちら。

あらすじ

薬物の違法取引で10年の刑をくらったラッキーは、南カリフォルニアの薬物捜査局で働いている。犯罪者としての裏の知識を買われ、刑期短縮の代わりに捜査協力をしているのだ。だがあともう少しでその契約も終わる。本当の自由が手に入る。新たに相棒となった元海兵隊員の新人ボーは、ラッキーの目にはあまりにスマートで堅物すぎる男に見えた。ベジタリアンでモラルの塊で片付け魔。形のいい尻に目を奪われながら、彼を鍛え上げ、潜入捜査で殺されないように仕上げてやらなければならない。そんな二人に異常な量の処方箋を出すクリニックの潜入捜査が命じられ――。エデン・ウィンターズ本邦初翻訳作品。Source : 還流 (ドラッグ・チェイス #1)

あらすじの「南カリフォルニア」って誤植ですかね?アメリカ東南部が舞台のはずなんだけど。

ストーリーはノースカロライナ州の倉庫でラッキーが働いてるシーンから始まって、彼がトラックで南下して、実際に潜入捜査していたクリニックがあるのはフロリダ州のオーランドでした。

カップリング

ラッキー (Richmond Eugene Lucklighter)

ファーストネームが嫌いなので、愛称「ラッキー」は彼のラストネームから来てる。
35歳。
身長170cmと小柄。
アッシュ系のブロンドヘア。

とにかくプリっとした丸っこいお尻が好きなもよう。

元はドラッグディーラーであり、ドラッグカルテルのボスであるヴィクターの恋人。
ヴィクターと共に捕まり、薬物の違法取引で10年の刑を言い渡さる。
塀の中で2年が過ぎた頃、薬物捜査局のウォルターと契約し、刑務所から出る代わりに捜査協力をすることに。
その8年間の契約もあと1カ月ほどで終わり、ようやく本当の自由が見えてきたところ。

ボー (Bo Schollenberger)

ウェーブがかったダークブラウンヘア、茶色い瞳。
31歳。
高校を卒業後、海兵隊に所属しアフガニスタンに4年間従軍。
その後、大学・大学院の薬学部を卒業し、製薬会社や病院等で薬剤師として勤務。
当時、戦地でのトラウマからPTSDを患い、抗不安薬依存になっており、今も薬に囲まれることへの不安と戦っている。

教科書を引用して話すような優等生っぽい男。
ベジタリアンでカフェインや砂糖も接種しない。

父親はアルコール依存症で、飲むと家族に暴力を振るうような男だった。
また、子供の頃、父親が夜飲みに出るためベッドに縛り付けられ、そのまま火事に会うという恐怖を味わったため、1人でベッドで眠れない。


こうやって書き出してみると、ホント彼らはそれぞれ大変な過去を背負ってますよね。
しかも、1巻の段階ではまだまだ話されてない過去の爆弾もあります。

私がこの作品を好きな理由は、彼らがただのスーパーヒーローではないところ。
不安定で不完全で、とても弱くてもがきながら、それでも仕事や愛、理想やプライドのために、必死で生きている彼らが、どうしようもなく愛おしく感じます。

ラッキーとボーが働いてるSNB(薬物捜査局)って?

アメリカ南東部の薬物捜査局の流通防止・管理部 (Southeastern Narcotics Bureau’s Department of Diversion Prevention and Control)

While the DEA and FDA were national and states each had their own branch of the Board of Pharmacy, the Southeastern Narcotics Bureau maintained regional jurisdiction, often working behind the scenes. The unnoticed dog always snuck up and bit the hardest.Source : Diversion (Diversion #1)

(DEAやFDAが国家や州に属し、それぞれ薬物理事会支部があるのに対し、アメリカ南東部薬物捜査局は、地方の管轄を保っていて、よく現場の後ろで働いている。注目されない犬はいつも、こっそり近づき最も過酷な仕事をしている。)

管轄が政府ではなく、DEAやFDA、FBIに属してるわけでもないようですね。
ラッキーのような前科者も多い上に、褒められることもないような日陰の仕事と言ってますが、現場への潜入捜査がメインなので、死と隣り合わせの大変危険なお仕事ですね。

本部はジョージア州のアトランタ。

その他の押さえておきたいアメリカの機関。

  • DEA(麻薬取締局)
    DOJ(司法省)に属する警察機関。国内での連邦麻薬法の施行を主導し、国外では麻薬の捜査・追跡をする。
  • FDA(食品医薬品局)
    HHS(保健福祉省)配下の政府機関。食品や医薬品、化粧品、医療機器、動物薬、たばこ、玩具など、消費者が通常生活で使う製品について、その許可や違反品の取締りを行う。
  • FBI(連邦捜査局)
    DOJ(司法省)に属する警察機関。国内のテロ・スパイ、政府の汚職、複数の州に渡る広域事件、強盗事件などの捜査を担当する。

ラッキーたちが現場に入って証拠を集め、そのデータをDEA等に引き継いで事件を解決へと導く流れ。

アメリカの医薬品について

規制物質法(Controlled Substances Act)により、依存性や危険性などを考慮して5段階に分けられている。

"The shipment contained a mix of over-the-counter and prescription medications as well as class three and four controlled substances.” On a scale of one to five, one being the most dangerous (and against US law), and five being the least (including prescription cough syrups with codeine), class three and four products weren’t the most dangerous or addictive, but still heavily regulated.Source : Diversion (Diversion #1)

(「積荷は市販薬と処方箋薬、クラス3と4の規制薬物も含まれていた。」5段階表記で、1が最も危険で(アメリカの法律で違法であり)、5が一番危険性が低く(コデイン入りの処方箋薬のコフシロップを含む)、クラス3と4の製品の危険性と依存度は一番高いわけではないが、依然として厳しく規制されている。)

作中でも「クラス1?違法じゃないか?!」みたいな会話がありました。

日本語で「ドラッグ」と聞くと、クラス1に分類されているヘロインなどの完全な違法薬物が頭に浮かぶけど、今回テーマになっているのは医者からの処方箋があれば買えるドラッグ。
でも上の引用にあるように、レベル3や4はレベル1のドラッグ程ではないにせよ、用法・容量を間違えると大変危険で依存性もある薬です。

クラス危険性医療使用
1不可ヘロイン、LSD、MDMA(ecstasy)、シロシビンなど
2条件付きで可モルヒネ(鎮痛薬として)、コカイン(局所麻酔薬として)など
3ケタミンなど
4ザナック(抗不安薬)など
5市販薬も含むコデイン入り咳止めシロップなど

私が子供の頃、日本ではマリファナや覚醒剤、ヘロイン、コカインなど全てまとめて「薬物」と一括りにして、「ダメ、絶対。」って啓蒙があったんだけど。
今はどうなのかな?
上のクラス分けもそうなんだけど、どの薬がどの程度危険なのかという知識が無いと、何も知らずに何が混ざってるのかも分からない危険すぎる脱法ドラッグ(危険ドラッグ)にいきなり手を出しちゃったりするので、知識って必要だと思うのよね。

みどころ

意外や意外、かなりの社会派なお話

ひたすらラッキーはBubble-Butt(丸くてプリっとしたお尻)って言ってるような人間なんだけど(そんなん私も触りたいわ)、ストーリー自体は実際のアメリカで起きているであろうドラッグ問題がベースになっていて、非常に興味深いテーマでした。

製薬会社、使用期限切れドラッグの廃棄場、クリニックの結託。そして、処方箋薬で依存症になったり、大量摂取で命を落とす人々。

普段、マリファナくらいしか調べたり考えたりしていなかったけど、私の住むバンクーバーにも「イーストヘイスティング」と呼ばれるドラッグによってホームレスになった人々が集まっているエリアがあって、昼間であっても友人と一緒でも近寄らない場所です。彼らも被害者なわけで、彼らへのリハビリやドラッグ自体の法の整備や取り締まりなど、まだまだ重たい課題ですね。

また、潜入捜査はいつ感づかれるんじゃないかと冷や冷やしてスリリング。
アクションもあるし、退屈に感じる暇なんて全くありません。

エロい

シリアスで社会派なんだけど、エロいシーンがしっかりエロいです。

SEXシーンを端折ってある箇所も多々見られるんだけど(あ、さっきまでシてたんだ、と思わせる1文が多い)、それでも、もうちょっと減らしてもいいんじゃ…という気がするくらい、しっかりエロい。

不思議なことにこれだけエロいシーンにページを割いてるにも関わらず、全然中身が薄っぺらくならないのがすごいところ。ストーリーが長いわけでもないし。作者の腕に脱帽です。私の中の好きな作家ランキング1位に躍り出そうな勢い。

そして、彼らのSEXを見ていてつくづく思ったんだけど、私はカップルが楽しそうなSEXが一番好きだな~と実感。
恥じらいとかイヤイヤ言う文化が日本にはあるけど、彼らみたいにノリッノリで楽しそうなのは、見ていてこっちも楽しくなる。
私がM/Mロマンス小説を好きな理由のひとつかもしれない。

ラッキーとボーの強さと弱さ

キャラクター紹介でも書きましたが、強さと弱さを併せ持つ2人。

ラッキーは前科があり、ドラッグを使っていたこともあるし。
元恋人であるヴィクターを、勘違いから裏切ってしまい、深く傷ついた過去があるため、特別な人を失うことを極端に恐れ、誰も信用しなくなってしまってる。

ボーも、薬物依存を克服したかに見えて、実は今でも薬の誘惑を恐れてたり。
エリートで完璧に見える彼が、唯一の理解者であるラッキーにだけは、不安を漏らすシーンの弱々しさ。
また、父親から受けた暴力での心の傷を持ちつつ、薬物依存克服のためのストイックな食生活や、常に人々に優しく接しようとする姿は、だんだんと見ていて痛々しくなってきます。

この本の良さは、彼らのこういった弱さを丁寧に描いてあるところじゃないかと。

「弱さ」って言葉が悪いと思うんだけど、普段ネガティブに捉えられがちですよね。持ってちゃいけないものみたいな。
誰しも持っているのだから、自分の弱さを認めたり、対処法を学んだり、人に助けを求めたりするのって大事だなと思います。

そして、巻が進むごとに、彼らの状況はいい方にも悪い方にも進んで行きます。
一見すると、1巻の終わりで2人がカップルになり落ち着いたように見えるけど、まだまだどう転ぶか分からない展開に目が離せません。

好きなシーンをひたすらあげる

いい子過ぎるボーにほだされて

Asleep he appeared peaceful, every trace of animosity gone from his face. He was kind of cute, in a boy-next-door way. In different circumstances, a handsome face, awesome cooking skills, and that whole “nice” thing might have been enough to sway Lucky to be a little nicer himself.Source : Diversion (Diversion #1)

(眠っているボーは安らかで、表情から敵意は消え失せているように見えた。どこにでもいそうな少年のような、ある意味可愛ささえ感じた。状況が違えば、イケメンで、料理上手で、それら全ての”いい部分”は、ラッキーも少しは影響を与えられているようだった。)

とにかく最初の頃のボーへの対応がクソだったラッキー。私も読むの止めようかと思いました。

どれだけ適当に扱っても、友達になろうと努力し、親切に接してくるボー。
そんなボーに戸惑っていたラッキーでしたが、だんだんとほだされて来てます。

ラッキーはわざと悪ぶってるだけで、根っこはかなり素直で可愛いくて優しいと思う。
そんな態度を取ってしまうのも、彼の過去が影響してるんだろうけど。

弱みをさらけ出せる相手

“Worst of all is…I’m afraid, Lucky. I joined the Pharmacist Recovery Network and get tested every month, and I don’t dare tell Walter, but I’m terrified to be in a pharmacy again, surrounded by temptation. What if I can’t resist? I need this job. I’ve got student loans out the wazoo…”Source : Diversion (Diversion #1)

(一番最悪なのは、…僕は怖いんだよ、ラッキー。薬剤師回復ネットワークに入って、毎月テストを受けて、ウォルターには伝えないけど、でも、また薬局に行くのが、誘惑に囲まれるのが、恐ろしいんだ。僕がもし耐えられなかったらどうなる?僕にはこの仕事が必要だ。たくさんの学生ローンがあるんだ…。)

このあたりはラッキーだからシェアできる話ですよね。弱みを見せれる。
ドラッグテストの恥ずかしさや、自分に信用がないことへの失望。

アルコール依存症の人は、どうやったってお酒の誘惑には勝てないけど、アルコール依存症の人同士で今までの体験等を話していたら、一晩中お酒を飲まずに耐えられたって話があるのと同じで、自分の弱くて恥ずかしいと思っている部分をお互い曝け出すことで、留まっていられる心理。

からの激しいキス。
なんかもう、 この作品のラブシーンはどれもこれも熱くて激しい!

結構急な展開で驚いたんですが、ボーは完全に動揺してるし、切羽詰まった震える唇を押し当てるって、かなり好みなシチュエーションです。
普段澄ました顔してるから余計に盛り上がる。

暇だから車の中で盛り上がる2人

“What if I were to agree to a little, shall we say, distraction? What would you do to me?” Oh shit! Lucky’s heart skipped a beat and coffee dribbled down his shirt.Source : Diversion (Diversion #1)

(「もし僕が少しだけ同意したらどうする?気晴らしとでも言おうか?君は僕に何をするんだい?」くそっ!ラッキーの心臓は跳ね、コーヒーはシャツに滴った。)

「いや、仕事しろよ、お前ら」と突っ込みたくなったシーン。

暇だからってことで遊び始めるわけですが。
こういうの何プレイって言ったらいいんだろうか?テレフォンSEXに近いけど、厳密には違うし。普通にSEXするよりも、非常に読んでいて興奮しますね。

ラッキーはボーを堅物だと思ってたから、下ネタを浴びせまくってたんだけど。
私もお上品で真面目な子だと思ってたんだけど。

ラッキーのジョークにまさか乗ってきて、2人でノリノリでセクシーなことを囁き合うことになろうとは。
そして、耐えきれなくなってトイレに駆け込んで激しく(ry。

可愛すぎる"えくぼ"

Oh my God! That dimple, right in the middle of Bo’s cheek! That amazingly cute and shouldn’t be dimple. Lucky hated that fucking dimple, yet when it disappeared, found he wanted to see it again.Source : Diversion (Diversion #1)

(オーマイゴッド!そのえくぼ、ボーのチークの真ん中にある!それはとてつもなく可愛くて、えくぼであるはずがない。ラッキーはそのえくぼが嫌いで、なのに見えなくなると、また見たくなるんだった。)

もう、何言ってるんだよ、そんなこと言ってるラッキーが可愛いよ、全く。

なんだかんだでラッキーはボーのこと大好きですよね。大好きがダダ漏れ。

っていうか、ボーもボーで可愛すぎるんですよ。なんだよ、"バブルバット"に"えくぼ"って。
そして"バブルバット"は日本語でなんと訳せばいいんですか!

無駄に真面目というか天然というか

“What? Man, it’s the middle of the freaking night and I gotta get up and go to work in a few hours. I’m too tired, and you shoulda mentioned this sooner before I, ummm…took care of matters myself.”Source : Diversion (Diversion #1)

(「は?おい、今、真夜中だし、僕は数時間後に起きて仕事に行くんだよ。すごく眠いし、あんたは僕が、あー、…自分でするもっと前に、そう言えばよかったのに。)

いや、ボー、何をバカ正直に…。言わなくてもいいよ、それ。

もうボーっていろんな面を持っていて、その度にドキッとさせられる。
最初はただの真面目な優等生っぽい人かと思いきや、エロいことはお好きなようだし、小悪魔っぽく誘って来たり、かと思えばひどく取り乱して感情を露わにしたり、家庭的だったり、このシーンみたいにちょっと天然っぽい反応をしてみたり。見ていて本当に飽きない人です。
そして私の好みです。

だんだんと微笑ましい同棲生活みたいに

“You got answers ready if they start asking questions?” Jeez, what am I? Freaking married?Source : Diversion (Diversion #1)

(「質問し始めた時の答えは用意した?」おいおい、俺は何だよ?結婚してんのか?)

ボーがクリニックへ面接に行く時、ラッキーが車で送って行きながら、あれやこれやと心配しているシーン。

いつの間にか2人の暮らしぶりが、微笑ましい同棲生活になってきましたね。
ボーが朝からコーヒーや朝食を用意して、ラッキーを起こしに来たり。
ラッキーはラッキーで、ボーが心配すぎて、お母さんみたいに口出ししちゃってるし。

可愛いカップルだわ、ほんと。

もうラッキーがどんどん可愛くなる

Why had wine and candles seem like a good idea an hour ago?Source : Diversion (Diversion #1)

(どうして1時間前は、ワインとキャンドルがいいアイデアに思えたんだ?)

ボーのためにベジタリアン向けのレストランでディナーをテイクアウトし、スーパーでワインと キャンドル を買い、ベッドルームにはレザーチャップスを用意し、ボーが帰るのをまだかまだかと待ち、帰ってきた瞬間、ブレーカーを落として出迎えるラッキー。

もう、本の最初の頃とは別人。意外とロマンチストよね。

“Uh-uh,” Bo said, words garbled against Lucky’s T-shirt. “Dishes first.” Lucky’d never washed dishes faster in his life.Source : Diversion (Diversion #1)

(「ダメだよ。」ボーが言ったが、言葉はラッキーのTシャツでくぐもった。「片付けが先。」ラッキーは今までの人生最速で皿を洗った。)

すごい急いでお皿洗ってる姿が笑。

そして、ボーがちょいちょい、この制止の「Uh-uh」とか、軽い咳払いっぽい「Uh-hmm」とか言うシーンがあるんだけど(喘ぎではなく)、それがやたら色っぽくて。
オーディオブックも非常によかったのでオススメです。ボーの声がイメージ通り。

そして、そのままキッチンカウンターで致すわけなんですが。

なんていうか、彼ら全部やってくれるんですよね。
恋人同士にはこんなプレイやって欲しいなぁみたいな読者(少なくとも私)の願望を次々と叶えてくれる。
そのサービス精神に全力で感謝しています。

“Something on your mind?” “Yeah. I have a confession to make.” “Oh?” Please don’t tell me you faked this whole thing, and that what we did was only one more fuck to you. Oh God, it’s finally happened. I’ve turned into a teenaged girl. Fuck, fuck, fuck, fuck, fuck.Source : Diversion (Diversion #1)

(「何かあるのか?」「うん、告白しないといけないことがある。」「お?」お願いだから全部嘘だったなんて、俺たちの関係はたった1回SEXしただけなんて言わないでくれ。なんだよ、ついに起こっちまったのか。俺が10代の女の子になっちまったみたいだ。くそ、くそ、くそ、くそ、くそ。)

可愛すぎて、もう私が枕に顔を埋めたくなる。
ヴィクターの愛人だったのも納得な可愛さ。

ノリノリじゃないか

The next morning Lucky awakened to the sound of cheerful whistling and stumbled out into the kitchen to find Bo cooking breakfast…in nothing but a pair of assless chaps and a stained apron.Source : Diversion (Diversion #1)

(翌朝、ラッキーは陽気な口笛に気づき、躓きながらキッチンへ行くと、ボーが…、裸で、でもお尻の部分が開いているチャップスと汚れのついたエプロンだけを身につけて朝ごはんを作っていた。)

残念なことに、この後どうなったか書いてありませんでしたが笑。

たしかボーのグリーンのエプロンって腰から下だけのタイプでしたよね?
裸の上半身に油が跳ねたりしないのかな?
私のパートナーもよく週末に、朝から上半身裸で目玉焼き焼いてるんだけど、いつも熱くないのか気になって仕方がない…。

アラバマでの再会

“I want you back, Lucky. Preferably as my partner at work as well as at home, but I’ll take you any way I can get you. I need you. You’re the only one who understands.”Source : Diversion (Diversion #1)

(「僕は君に戻ってきて欲しいよ、ラッキー。できれば、仕事のパートナーとしても、プライベートのパートナーとしても。まぁ、君を連れ帰るためならどんな手でも使うつもりだけど。君が必要なんだ。君は唯一僕を理解してくれる。」)

エピローグは好きなシーンがいっぱい。

この ラッキーがボーにとって唯一の理解者 って認めて伝えるシーンも。

ボーがラジオに曲のリクエストをかけまくって、自分が探していることをラッキーに気付いて欲しかった、というジョークも。

ラッキーが「俺はミルクを容器から直接飲むよ?」など次から次に警告するも、ことごとくボーに打ち返されるやり取りも。

そして最後、ラッキーからのプレゼントであるレザーチャップスと、シルバーチェーン付きのレザータンガと、多分Perky Peckersもちゃんと持って現れるボー。

私、このPerky Peckersが最初何のことだか分からなくて。Peckerってアメリカの俗語でペニスなんですね。はぁ、多いよ、こういう俗語…。

2人が再会した日が火曜日で、次の出勤は6日後の月曜日。
でも、その月曜日はきっと病欠の電話しなきゃって…、どれだけ盛り上がるつもりなんだろうか。


今、私は5巻を読んでいる途中なんですが、今思うと1巻はストーリーが重くもなく、2人がとにかく可愛いくて微笑ましい。

2巻以降、どんどん話は重くシリアスになるし、ラッキーの昔の恋人、ヴィクターとの甘くて切ない過去の話も詳しく語られていくし。
どんどん面白くなってきている作品なので、はやく続きが読みたくて仕方がありません。

書籍紹介

原書

日本語版の表紙イラストは、毎回思うところがあるんですが(筋肉が無くなっていて優男過ぎるとか)、でもそれは私の感覚なので、なるべくブログには書かないようにしていて。
まぁ、それを言ってしまうと、原書の表紙も毎回肌面積が無駄に広いとか、思うところはあるんだけど。

今回の『還流 (ドラッグ・チェイスシリーズ #1)』に関しては、無駄にポップですよね。一見、軽くて明るいコメディタッチの作品かと思ってしまう。
内容はシリアスで重く、かなり社会派なんだけど。
今回ばかりは、表紙で損してる作品だなぁと思ってしまいました。

あ、イラストか嫌いとかそういうのではなく、アートディレクターは何を思ってこの方向に持って行ったのか気になるところ。

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ジーナ

鞭が似合うとか、壇蜜に似てるとか言われる、M/Mロマンス小説とBLマンガ愛好家。
カナダ、バンクーバー在住。
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