2020/04/19
『フェア・チャンス(All's Fair #3)』最終巻でようやく始まった2人のフェアなロマンス。続きが読みたくて仕方がない
コロナ禍でストレスフルな状況だからこそ、好きなことだけ考えてる時間が必要だなと、このブログを書きながら改めて思いました。
※日本語翻訳版は読んでいないので、各英文の翻訳部分は私の意訳です。間違ってたら教えてください!
All's Fair シリーズ
3冊で完結しているシリーズで、今作が最終巻!
ついに翻訳版も最終巻が発売されました〜!
また、ジョシュ・ラニヨンさんのクリスマス・コーダに、エリオットとタッカーのショートストーリーがありました。
Christmas Coda 52, ALL’S FAIR series: Elliot and Tucker - JOSH LANYON'S BLOG
あらすじ
エリオットが勤務する大学で起きた連続殺人事件。かつての同僚で収監中の連続殺人犯・コーリアンから接見を許可されたエリオットは、共犯者の存在をほのめかされた。犠牲者の頭部がみつかっていないその事件にはまだ謎が多く残っている。共犯者を探すエリオットは、殺人者だけが招待されているというパーティに参加し、調査を進める。だが休暇をとって実母の家に向かった恋人のタッカーと連絡が途絶えた。タッカーは一体どこに―!?人気シリーズAll’s Fair、完結編。Source : フェア・チャンス (All's Fair #3)
カップリング
エリオット・ミルズ
37歳。
元FBI捜査官で、今はPSUで歴史を教える大学教授。
ダークヘア、細身、グレーの瞳。
愛車は Silver Nissan 350Z。
料理好き。
現在はグースアイランドのキャビンで恋人タッカーと同棲中。
タッカー・ランス
FBI捜査官。
エリオットの恋人。
長身、ガチムチ、赤毛、青い瞳、そばかす。
愛車は Blue Nissan Xterra。
みどころ
シリアルキラー・コリアンがいきなりの降板
みなさん、結構驚いたんじゃないでしょうか?
さぁ、コリアンと最終決戦だぞ!と意気込んで読み始めたのに、かなり序盤であっさり戦闘不能になったコリアン。
癖が強くて、何を考えてるのか分からない不気味なコリアンと、エリオットとの緊張感溢れる頭脳戦を楽しみにしていたので、ちょっと残念でもありましたが、逆に「え、じゃぁ誰が共犯者なのよ、どうなっていくのよ」と混乱させられたのも事実です。
ただ、蓋を開けてみると、ちょっとコニー・フォスターじゃ役不足感があるのは否めないという気も。
失踪したタッカーを探し回る点でのミステリー展開は好きだったんですけどね、3冊かけて辿り着いた結末は、ちょっと拍子抜けな感じもしてしまいました。
まぁ、今作はミステリーよりもエリオットとタッカーのロマンスがメインテーマだったみたいで。
というより、主にエリオットの愛の物語が完結、いや、ようやく始まった感じかな。
1巻はミステリー、2巻は家族愛、で、3巻はロマンスがテーマなシリーズだったなと勝手に思っている。
エリオットが自分の気持ちを自覚していく
行方不明になったタッカーを1人で探し、どんどん精神的に追い込まれていくエリオット。
あの!頑固で気が強いエリオットが、取り乱して、タッカーを思って寂しさを口にするシーンは心を打たれましたよね。だって、あの!エリオットだから。
そんな中で、見た目とかステータスとか性癖とか関係なく、エリオットの中でもう既にタッカーへの愛は大きくなってて、この先の人生、一緒にいるのはタッカーしかいないと自覚していく。ようやく…っ!
タッカーも穴の中に押し込められた甲斐があります。
それから、私はカップルにとって、愛、感謝、謝罪など、いくら近くにいる相手だろうと、日々伝えう必要があると思ってるんですよね。
なので、このシリーズを読んでいて、エリオットはもう少しタッカーに素直に気持ちをシェアしたらいいのに、なんて考えていたんですが。
もちろん素直じゃない彼の性格も知ってるし、そんな意地っ張りな彼が可愛くもあるんだけど。
ただ、今作でようやく!ようやく!タッカーを求めるエリオットの姿が見れて、もうホッとしましたよ、私は。
彼らに取ってのFairを探すお話
この作品のシリーズ名が「All's Fair」で、彼らに取っての「フェア」とは?がテーマだったと思うんだけど。
All is fair in love and war.
っていう英語から来てるだろうな、と思ってて(違ってたらごめんなさい)。
戦争と愛については、普段だったらダメなことも許されるって感じの意味なんだけど。
例えば、戦時中だったら、背後から誰かを攻撃して殺してもアンフェアじゃないし、恋愛で不倫関係にあっても、愛があるからアンフェアじゃない、みたいな。
まぁ、「何でもありなんだ!」っていう、言い訳ですよね。
エリオットとタッカーで言うと、例えばタッカーがエリオットにコリアンの状況を隠してるのは、エリオットを守るためであり、愛しているからだけど、愛を理由にした隠し事はフェアなのか?と。
このフェアかそうじゃないか判断するのって外野じゃなくて当事者2人なんですよね。
だから、頑固な2人が細かく細かくどこまでがフェアかっていうのを突き詰めていく必要がある。
例えば、
エリオットの主張でグースアイランド住んでいるのは?
料理好きとはいえ、いつもエリオットが料理担当なのは?
自分の中である程度消化してから相手に話したいタッカーと、隠し事が嫌いなエリオット
大事にするのと過保護にすることの境界線とは?
エリオットは本当に本当に心の底からFBI捜査官は一家にひとりでいいって思ってるのか?
養子として育ち、やっと見つかった生みの親が敬虔なカトリックで微妙な状況のタッカーと、毎週父親と食事をするエリオット
などなど、挙げだすとキリがないですね。
でも、彼らはお互いに一生添い遂げる相手だと認識できたので、これからも喧嘩しながら、彼らにとっての「フェア」を探していくんだろうなぁ。
赤毛+そばかす+ガチムチって最高ですよね
1巻の感想でも書いた気がするけど、タッカーってあんまりクセのある男じゃなくて。魅力的だし、楽しい人だし、包容力はあるんだけど、何というかキャラクターがあんまり強くないというか。
ただ、もうこの赤毛+そばかす+ガチムチって設定があるおかげで、だいぶ助かってると思うのよ。 この設定なかったら、ここまで魅力的だったかどうか。 そばかすのある大きな手とか最高じゃないですか。
でね、タッカーのイメージを膨らませるためにネットの赤毛男子画像を漁ってて、Red Hotなる素敵プロジェクトを発見したのでシェアしときますね。
なぜか赤毛の裸の男がミルクかぶってる動画とか、ガチムチな赤毛男子2人がキスしてる写真とか、なかなか楽しめましたよ。
毎年、カレンダーが出てるっぽいので、ちょっと欲しい。
下の写真は、ちょっと私の中のタッカー感がある。もう少し歳をとらせて、チャラさを抜いて、筋肉大きくした感じだけど。
(Jockタイプの下着の写真、後ろからのショットがないのが残念ですね)
あと、タッカーは普段髭を剃ってるけど、休みの日とか剃らない日があって、5 o'clock shadow って呼ばれる、薄ーい無精髭状態になったら、最高にセクシーだと思うんですよ。赤毛の無精髭が好きだー!
こんな感じ。
(うーん、髪型を変えれば、こっちの彼の方がタッカー感あるかなぁ)
さ、話を戻します。
好きなシーンをひたすらあげる
Always
“Yeah. Take care of yourself,” Elliot said. Their code for I love you. “Always.” Tucker disconnected.Source : Fair Chance (All's Fair #3)
(「あぁ、気をつけて。」と、エリオットが言った。彼らにとっての愛しているというコード。「いつでも。」とタッカーが返し、電話を切った。)
物語の最後の方の結婚指輪のシーンまで読んで、また最初から読むと、このセリフにニヤッとしてしまいます。
この時すでにタッカーは指輪を用意してたんだろうなって。
あのでっかくて厳ついイメージのタッカーが、どんな顔して指輪買って、「内側に彫るメッセージはAlwaysで」って言ったのか。そのシーンを是非とも見たい。
ミス・ヤマグチ
Tucker lifted a big shoulder. “All I know is you’re the most important thing in your father’s life. If he knew you were feeling like this, he’d want to fix it.” Elliot mimicked Yamiguchi. “Respectfully, Special Agent Lance, you’re not a profiler, psychiatrist or psychologist.” Tucker laughed. “True. You know how I know this, Professor Mills? Because it’s how I feel about you.”Source : Fair Chance (All's Fair #3)
(タッカーは大きな肩を持ち上げた。「俺が知っているのは、お前の父親の人生の中で、お前が一番大切な人だってことだけだよ。もし、彼がお前の気持ちを知ってたら どうにかしたいと思うだろ。」エリオットはヤマグチの口調を真似て言った。「失礼ながらランス捜査官、あなたはプロファイラーでも精神科医でも心理学者でもありません。」タッカーは笑った。「正解だ。なぜ知ってると思う?ミルズ教授。そう感じたからだよ。」)
日系アメリカ人のミス・ヤマグチ。
有能だけど無表情でロボットみたいに話す姿が、いかにも日本人のステレオタイプっぽいんだけど、若い彼女がエリオットに敵意剥き出しにしてるのが可愛くて可愛くて。
ただ感情に任せて嫌な態度を取っているわけでは全くなく、エリオットは気に入らないけど、批判の仕方も内容も理論的だし、実際、エリオットの捜査能力を見てからは、非常に協力的。相変わらずぶっきらぼうだけど笑
そんな彼女が可愛くて大好きでした。
で、彼女に対しても全く敵対心を持ってないエリオットもだし、暖かく見守る男2人がいいですよね。
早起きして朝日を一緒に見る
“Listen, go back to sleep,” he soothed. “You’ve still got thirty minutes before the alarm goes off. I’m going to get a head start on the day.” “I’ve got a better idea.” Tucker kissed him and then pulled free. He sat up. “Why don’t we make coffee and watch the sunrise?”Source : Fair Chance (All's Fair #3)
(「いいから、もう一度寝ろよ」とエリオットはなだめた。「目覚ましが鳴るまでまだ30分ある。俺はちょっと早いスタートを切るよ。」「もっといい考えがある。」タッカーはキスをしてエリオットを離し、上半身を起こした。「コーヒーを飲みながら朝日を見ないか?」)
タッカーは適度にロマンチストで大好きですよ。デッキも作ってくれたみたいだし。
さんざんキャラが弱い的なこと言ってますけど、あくまで小説として話題性に欠けるからであって、実際にこんな人いたら最高過ぎるでしょ。ジーナからベストボーイフレンド賞を進呈させていただきますわ。
マコーレイからのお誘い
“Submit to me for one night—one night of mind-blowing pleasure—and I guarantee in the morning you’ll be begging me not to send you away.”Source : Fair Chance (All's Fair #3)
(「一晩だけ俺に服従しろよ、心を揺さぶる快楽の一夜、そして朝には、お前は帰さないでくれと俺に懇願するはずだ。)
もちろん、エリオットに「Yes」と言って欲しくはなかったんだけど、でも、少しだけそんな展開を期待してしまいました(ごめんね、タッカー。だって、BDSMものの小説が好きなんだもの)。
でも、このあたりからも読み取れますが、もう完全にエリオットの中でタッカーの存在が出来上がってますよね。
単なる性癖だけなら、やぶさかでもないと思うんだけど。
そうじゃない、性的な意味以上にタッカーじゃないとダメなんだね。
ただ、コリアン同様、マコーレイもあっさりと退場しちゃって。もうクセのあるキャラ残ってないから!って。
紺色のブレザー
He rested a hand on the shoulder of Tucker’s favorite navy-blue blazer, and for a funny moment the hard wood curve of the hanger beneath the soft wool created the illusion that he was touching flesh and bone. “Don’t do this to me,” he said.Source : Fair Chance (All's Fair #3)
(エリオットがタッカーが気に入っていた紺色のブレザーの肩に手を置くと、一瞬、柔らかいウールの下にあるハンガーの硬い木の曲線が、タッカーの肉と骨に触れているかのような錯覚を起こした。「こんなことは止めてくれよ。」と言った。)
一般人と違って元FBI捜査官だからこそ、行方不明者が出た時に48時間以上経過すると生きて見つかる確率ががっくり下がるのも知ってるわけで。
正直かなり絶望的な状況。
希望が薄れていくのを認められないエリオットの葛藤が、もう。
Don’t do this to me.
って絞り出すような言葉がね。非常に胸に刺さります。シンプルな言葉だからこそいい。
普段のエリオットの言動以上に、タッカーのこと愛してますよね、ホント。
しどろもどろなタッカーと潔いエリオット
Tucker swallowed. “I bought that ring for you,” he said. “I was carrying it when I got nabbed.” There was a lot to absorb there. Elliot fastened on the least alarming piece, repeating, “For me?” Tucker nodded. His smile was twisted. “I didn’t want to leave it here in case you came across it.” Elliot nodded, but was that really an answer? Tucker cleared his throat, said, “This wasn’t the way I—But I was thinking—I’ve been thinking for a while—that we should—I mean, if you agree, obviously—” “Yes,” Elliot said. Tucker brightened. “Yes? Is that—We’re talking about the same thing?” Elliot smiled. “Yeah. Marriage? I’d like that.”Source : Fair Chance (All's Fair #3)
(タッカーは息を飲み、「その指輪は、俺がお前に買ったんだ。」と言った。「捕まった時に持ち歩いていて。」そこには、咀嚼しないといけないことがたくさんあったが、エリオットは一番気になる部分にフォーカスして「俺に?」と繰り返した。タッカーが頷く。笑顔は歪んでいる。「万が一、お前が見つけたりしないように、ここに置いておきたくなかったんだ。」エリオットは頷いたが、それは本当に答えなんだろうか?タッカーは咳払いをして、言った。「こんなつもりじゃ…、でも、実は前から…、ずっと長いこと考えてたことなんだけど…、俺たち…、いや、つまり…、もちろん、お前が了承してくれるなら…。」「うん。」とエリオットは言うと、タッカーの表情が明るくなる。「うん?それって…、俺たち同じことを話してる?」エリオットは微笑んだ。「うん。結婚だろ?したい。」)
可愛いーーーーーーーー!
みなさん、想像してみてくださいよ。
でっかい男がしどろもどろになって、全然スマートにプロポーズ出来てない姿を。きっとタッカーはどっかの5スターレストランとかで夜景見ながら言うつもりだったのか?それとも、家でLovy Davyな瞬間にさっと取り出す予定だったのか。
で、そんなタッカーに「Yes」とだけ、簡潔に答えるエリオット。元々彼の持つシャープで知的で美人な印象がさらに強まる、うん。
私がこの本で一番好きなシーンです。
新しいルームメイト
He reached the doorway as Tucker was saying, “Listen, if we’re going to be roommates, we’re going to have to figure out how to make this work.” He was holding out a raw steak while Sheba balanced on her haunches pawing the air. Elliot’s jaw dropped. He got out, “Hey! What the hell?” Both guilty parties jumped. Tucker nearly dropped the steak. Sheba covered her eyes. “Sheba, what do you think you’re doing?” Sheba came to him, dancing on her hind legs, making her case. “I don’t want to hear it,” Elliot told her. He turned to Tucker. “Okay,” Tucker said. “You do realize you’re talking to the dog like she’s the responsible party?” “You’re feeding sirloin steak to a dog, Lance, so yes, I’d say of the two of you, she’s got the edge.”Source : Fair Chance (All's Fair #3)
(エリオットがドアに辿り着いた時、タッカーが言った。「いいか、ルームメイトになるんだったら、協力していく必要があるだろ。」彼は生のステーキを手に持ち、シバは後ろ足で座ってバランスを取りながら前足は空を撫でていた。エリオットは驚愕した。彼は出ていき、「おい! 一体何だこれは?」罪人2人が驚いて跳ねる。タッカーはステーキを落としそうになった。シバは目を覆った。「シバ、何をやってるんだ?」シバはエリオットのところに来て、後ろ足で踊りながら、自分の言い分を主張しているようだった。「聞きたくない。」エリオットは言い、タッカーの方を向いた。「わかったよ。」とタッカーが言い、「犬の方がリーダーみたいに話しかけてるの気付いてるか?」「お前は犬にサーロインステーキを与えようとしてるんだよな、ランス、その通り、お前たち二人だと彼女の方が優位に立っているって言えるよね。」)
この3人の組み合わせは、これからきっと楽しくなりそうな予感しかしない。
どう見てもママポジションなエリオットと、ママを取り合う子供たちポジションのタッカーとシバみたいな。
彼ら今のところ子供はいないし、2人で犬を飼うのは良さそうだなぁ…と、最初は思ったんだけど、エリオットがFBIに復帰するなら、きっともっと忙しくなるから飼えるんだろうか?って疑問に思っちゃいました。
まぁ、それはいいとして。
今回、事件を解決するキーになったボーダーコリーのシバ。
おそらく、シバの女王からとって命名してるんだと思うけど、旧約聖書の。
ソロモン王に謎かけした絶世の美女。
私はあまり聖書とかそのあたりの知識がないから分からないんだけど、愛犬にシバと名付けるという点から、飼い主の性格はどんな感じだと推測できるんだろうか?非常に気になる。
タッカーのためならFBI復帰も断れるよ
“If you really don’t want me to take it, I’ll turn it down.” Please don’t ask me to give this up. But he would do it. For Tucker he would do it. He would never risk this—them. “Shut up,” Tucker muttered. “Of course you’re taking it. I want you to take it.” Elliot shook his head. Tucker said, “Hell, yes, you’re taking this job. I couldn’t be more proud of you.”Source : Fair Chance (All's Fair #3)
(「もしお前が本当に受けて欲しくないなら、断るよ。」お願いだ、手放せと言わないでくれ。でも、断れる。タッカーのためだったら、断れる。2人のこれからのために危険を冒すようなことは絶対にしない。「黙れ。」とタッカーは呟いた。「もちろん、受けろよ。お前に受けてもらいたい。」エリオットは首を振った。タッカーは言った。「そうだ、この仕事を受けるんだ。これ以上、お前を誇りに思うことなんてないよ。」)
あの!エリオットが、何度でも言います、あの!エリオットがですよ。
タッカーのためならFBI復帰も断れるって言ってるのが、変わったなぁって。
1、2巻を読んでる時は、もう本当にぶつかってばかりな2人に頭抱えてたんだけど、3巻を読むともう心配いらなさそうだなって思えますよね。
最後の隠し事?
“Uh, Lance,” Elliot said. “Remember that little talk we had about you not keeping stuff from me? You didn’t think to mention we had how many law enforcement agencies hiding out in our backyard ready to spring this trap?” Tucker looked guilty but, being Tucker, instantly recovered. “No point in both of us missing out on a night’s sleep, right?” he asked hopefully. “You were dead on your feet—” Elliot started to answer—forcefully—and Tucker said quickly, “Okay, okay, Professor. Last time. I promise...”Source : Fair Chance (All's Fair #3)
(「あー、ランス?」エリオットが言った。「俺に隠し事はしないって話し合いしたの覚えてるか?どれだけたくさんの警官がこの罠をはるために裏庭に隠れてるのか、俺に言ってないよな?」タッカーはバツが悪そうな顔をしたが、すぐにいつもの彼に戻った。「2人とも寝不足になる必要はない、そうだろ?」彼は期待を込めて言った。「お前はくたくたに疲れてたから…」エリオットが力強く答え始めたので、タッカーは急いで付け加えた。「分かった、分かったよ、プロフェッサー。これで最後だ。約束するよ…」)
私、彼らが「ランス」とか「プロフェッサー」って呼び合うシーンが好きなんですよ。
それにしても、ショートストーリーでいいので彼らの続きが読みたい。
だって3巻はロマンス重視だったとはいえ、肝心のタッカーが行方不明だったんで、彼ら2人がイチャついてるシーンが圧倒的に少ない!
ようやく愛を確かめあった2人のその後を見たくて仕方がありません。
他のラニヨン作品との繋がり
今作ではちょこちょこ別の作品のキャラクター名が登場しますね。ジョシュ・ラニヨンさんのファンには堪りません。
時系列を並べてみると、すでにアダムがオレゴンにいるので、このフェア・チャンスは、モネ・マーダーズやウィンター・キルが起きた2月よりも後なのは確かですね。
殺しのアートシリーズのサム・ケネディ
2019/12/18
『モネ・マーダーズ(殺しのアート #2)』交錯する3つの事件と3人の男たち。甘いだけがロマンスじゃない、すれ違う時間こそ悶え楽しみたい
お互いに激しく惹かれ合っているものの、遠距離なため電話で話すだけの8ヶ月が過ぎ、ようやく会えると思ったのに。サムからまさかのシャットアウトを食らって、それでも悶々と恋心を募らせるジェイソンが可愛らし過ぎるシリーズ2巻。
Elliot said, “Well, you keep trotting out the BAU. According to Unit Chief Sam Kennedy, if the objective is to get Corian to talk, you give him someone he can talk to. And right now, that’s me. Correct?”Source : Fair Chance (All's Fair #3)
(エリオットは「あぁ、BAUの話を持ち出してばかりだな。チーフのサム・ケネディによると、コリアンに話をさせるのが目的なら、誰かに話をさせればいい。そして今、それが出来るのは俺だ。そうだろ?」)
“What does the BAU think she’s going to do?” “Sam Kennedy says she’s going to come after you.”Source : Fair Chance (All's Fair #3)
(「BAUはコニー・フォスターがどうすると読んでるんだ?」「サム・ケネディはお前を追ってくるだろう、と。」)
伝説の男、サム・ケネディ。
私の大好きな金縁老眼鏡に割れた腹筋が素敵なおじさま、サム・ケネディ。
先ほども言いましたが、このフェア・チャンスは、時系列的にモネ・マーダーズより後のお話なので、これから先の殺しのアートシリーズで、コリアンの事件の話がもしかしたらチラッと出てくるかもしれない?出てくるといいなぁ。
それから、ジェイソンの名前は出てこなかったけど、チラッと美術捜査班という単語は出てきました。ニヤッとした方も多いのでは。
ウィンター・キルのアダム・ダーリン
2019/12/23
『ウィンター・キル』ジョシュ・ラニヨンさんファン必見。あのサムもタッカーも登場。オーバーラップするキャラクターたちに興奮が抑えられない。
『モネ・マーダーズ』と同時期に起きた事件を捜査するFBI捜査官のアダム・ダーリンと、彼がそこで出会った地元の保安官代理のロブ。まさかアダムの元彼が『フェア・ゲーム』のタッカーで、彼らが別れた原因がエリオットだったなんて。ジョシュ・ラニヨンさんの本が好きな読者にこそ読んで欲しい、何倍にも楽しめる1冊。
If any further proof was needed that Tucker had not voluntarily walked away, this was it. Even if Tucker had inexplicably, unbelievably decided they were through, he would have called the minute he learned of the shooting. It was just the way he was built. He had called his ex, Adam, when Adam had come under administrative fire for botching a kidnapping case. He would certainly call Elliot to make sure he was okay.Source : Fair Chance (All's Fair #3)
(タッカーは自分の意思で居なくなったんじゃないと、これほど証明するものがあるだろうか。もし、タッカーが予想外に、信じられないことに、俺たちの関係が終わったんだと思ったとしても、エリオットの銃撃を知ったらすぐに電話しただろう。彼はそういう人だ。元彼のアダムにも電話していた。アダムが誘拐事件の捜査で失敗し、懲戒処分を受けた時にも。絶対にエリオットの無事を確認するために電話するはずだ。)
タッカーの元彼で、ウィンター・キルの主人公、アダム。
割と長いこと付き合ってたけど、タッカーがシアトルに転勤になって、エリオットに一目惚れして、1週間もしないで電話で別れを告げられた、だいぶ可哀想な元彼。
そんなひどい別れ方をしたけど、誘拐事件のミスで懲戒処分を受けたアダムには、ちゃんと心配して電話してたんですね。
そういうところがタッカーらしい。
ふと思ったんですが、タッカーってエリオットとSEXする時は常にトップですけど、アダムとはどうだったんでしょうね?
He’d had a message on his answering machine from Adam, Tucker’s ex in Oregon, offering whatever help and support Elliot needed. Adam had not offered condolences, but how long before the sympathy calls started?Source : Fair Chance (All's Fair #3)
(タッカーの元彼で、今はオレゴン州にいるアダムからも、何か手助けできることはないかと、留守番電話にメッセージが入っていた。アダムはお悔やみの言葉を言わなかったが、お悔やみの電話はいつ始まるのだろうか?)
ここね、結構切羽詰ってるシーンなんですけど、アダムがオレゴン州にいるって書いてあったので、ロブと上手くいってるんだなー、そうかー、よかったー、とちょっとほっこりしてしまいました。
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「All's Fair」シリーズは、3冊ともナレーターが変わっていて、1と2はあまり好みの声じゃなかったのが残念だったんですが。
この3冊目のナレーター、J.F.Hardingさんは大当たりでした!声質がいい!エリオットとタッカーの雰囲気にすごく合ってました(あくまで私の中で)。
ナレーション自体もうまかったですし。ミス・ヤマグチのロボット感も可愛かったし。
ぜひぜひ試しに聞いてみてください。
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カナダ、バンクーバー在住。
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